規則正しい就寝習慣が血圧に驚くべき効果

規則正しい就寝習慣が血圧に驚くべき効果
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毎晩、同じ時刻に就寝することで血圧を改善できる可能性のあることが、新たな研究で示された。就寝時間が不規則な人が、毎晩同じ時間に就寝することを2週間続けただけで、運動量の増加や塩分摂取量の削減と同等の降圧効果を得ることができたという。米オレゴン健康科学大学(OHSU)産業保健学准教授のSaurabh Thosar氏らによるこの研究結果は、「Sleep Advances」に11月17日掲載された。研究グループは、「これは、多くの高血圧患者の血圧をコントロールするための、単純だがリスクの低い補助的な戦略になるかもしれない」と述べている。

この研究では、高血圧を有する11人の成人(男性4人、平均年齢53歳)を対象に、まずベースラインとして、1週間にわたり活動量計で就寝時間や睡眠パターンを記録するとともに、24時間の自由行動下血圧を測定した。次に、試験参加者には2週間にわたり同じ時刻に就寝してもらい、その後、再度、24時間自由行動下血圧を測定した。その上で、就寝時間や入眠時間のばらつき(標準偏差)を計算し、血圧の「最小可検変化量(MDC95)」を使って個人レベルで血圧がどのくらい変化したかを確認した。

その結果、就寝時間のばらつきは介入前の32.4(±17)分から介入後には7(±10)分へ(P=0.001)、入眠時間のばらつきも30(±17)分から7(±8)分へ(P=0.011)有意に減少した。また、24時間自由行動下血圧も、収縮期血圧で−4(±4)mmHg、拡張期血圧で−3(±3)mmHgの低下が見られた。特に夜間の血圧は低下の幅が大きく、収縮期血圧は−5(±7)mmHg、拡張期血圧は−4(±5)mmHg低下した(全てP<0.05)。さらに、参加者の半数以上が24時間自由行動下血圧でMDC95以上の低下を示した。

研究グループは、収縮期血圧が5mmHg低下するだけで心血管疾患のリスクが10%低下することは、すでに専門家の間で周知の事実だと指摘している。一方、毎日の就寝時間が不規則であることは心臓の健康状態の悪化につながり得ることも、以前から知られているという。実際、ある先行研究では、不規則な就寝時間は高血圧のリスクを30%高める可能性があることが示されている。研究グループによると、不規則な就寝時間が血圧に影響を及ぼすのは、体内リズム(概日リズム)の乱れによるものと考えられる。通常、睡眠中は血圧が自然に少し低下するが、体内時計の乱れがその反応を弱める可能性があるという。

ただし、今回の研究はわずか11人を対象としたものであったことから、研究グループは、「この研究結果がより大規模な前向き試験で再現されれば、人々に規則正しい就寝時間を守ってもらう取り組みは、心臓血管疾患のリスクを減らすための低コストで拡張性の高い介入になる可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2025年11月26日)

https://www.healthday.com/health-news/sleep-disorder/regular-bedtime-does-wonders-for-blood-pressure

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