米ノースウェスタン大学が開発した迅速検査のおかげで、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染しているかどうかを15分以内に判定できるようになった。この検査により、医師は診察中に感染症を診断し、その場で治療を開始できるようになる。ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部グローバルヘルス研究所・グローバル感染症および新興感染症センターのClaudia Hawkins氏らが開発したこの検査に関する詳細は、「The Journal of Infectious Diseases」に12月10日掲載された。 Hawkins氏は、「この検査は、診断を劇的に改善し、治療の普及を加速させ、より多くの人に対するより早期の治癒を可能にすることで、米国および世界のHCV治療に革命をもたらす可能性がある」とニュースリリースで述べている。同氏はさらに、「遅延を減らし、検査に至るまでの流れを簡素化することで、未治療のHCVによる壊滅的な肝臓関連の合併症から何百万人もの命を救う可能性がある」と付け加えている。 C型肝炎は、世界中で推定5000万人に影響を与え、主に肝臓の瘢痕化と肝臓がんにより、毎年24万2,000人が死亡している。研究グループは背景情報の中で、C型肝炎は8~12週間の投薬で治癒できるが、治療率は依然として低いと述べている。 通常、活動性のHCV感染の有無を調べる検査では、血液サンプルを検査機関に送る必要がある。検査機関から医師のもとに結果が届くまでには、数日から数週間かかることもあるという。 今回、開発された検査は、DASH(Diagnostic Analyzer for Specific Hybridization〔特異的ハイブリダイゼーション診断解析装置〕)迅速PCRシステムと呼ばれるもので、装置に血液サンプルを入れるだけでPCR検査の結果が得られる。この装置は当初、鼻腔スワブで採取したサンプルから新型コロナウイルスを検出するために開発された。 現状で利用可能なHCVの迅速検査は、米食品医薬品局(FDA)が2024年6月に承認したXpert HCV検査である。この検査は、結果が出るまでに40~60分かかる。一方、Hawkins氏らが開発した検査の所要時間は15分であり、Xpert HCV検査よりも最大で75%速く結果が判明するという。 この検査の臨床での有用性を確認するために、米ジョンズ・ホプキンス大学の共同研究者らは、97個の血漿サンプルを用いて独自の評価を行った。その結果、本検査は既存の検査法との比較において、陽性一致率および陰性一致率がともに100%であった。 論文の上席著者であるノースウェスタン大学マコーミック工学部のSally McFall氏は、「患者の診察中にポイントオブケアで実施できる診断検査を開発することができた。これにより、HCV撲滅に向けた取り組みを支援するための即日診断と治療が可能になる」と述べている。 研究グループは、この検査は世界保健機関(WHO)が掲げる「2030年までにHCVを根絶する」という目標の達成において、重要な役割を果たす可能性があるとの期待を示している。(HealthDay News 2025年12月12日) https://www.healthday.com/health-news/infectious-disease/new-15-minute-test-for-hepatitis-c-paves-way-for-same-day-treatment Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock