ChatGPTやMicrosoft Copilot、Google Gemini、Claude、DeepSeekなどのAIプログラムとのチャットに何時間も費やしていないだろうか。新たな研究で、AIチャットボットを毎日利用する人は、中等度以上の抑うつ症状を抱える可能性が約30%高いことが示された。米マサチューセッツ総合病院、定量的健康センター所長のRoy Perlis氏らによるこの研究の詳細は、「JAMA Network Open」に1月21日掲載された。 この研究では、2025年4月から5月にかけて米国の成人2万847人(平均年齢47.3歳、女性49.5%)を対象に調査が行われ、その結果を基に、生成AIの利用頻度と抑うつ症状などのネガティブな感情との関連が検討された。調査参加者は、生成AIとソーシャルメディアの利用状況について回答した。また、ネガティブな感情は、標準的なメンタルヘルス質問票(Patient Health Questionnaire 9-item;PHQ-9)で評価した。 調査の結果、10.3%(2,152人)が生成AIを毎日利用しており、5.1%(1,053人)は1日1回、5.3%(1,099人)は1日に複数回利用していると回答した。1日に1回以上利用する人の利用目的として最も多かったのは個人的な用途での利用(87.1%)であり、そのほかは、仕事での利用(48.0%)、学校での利用(11.4%)などであった。 解析の結果、生成AIの利用頻度が高いほど、抑うつ症状が強い傾向が示された。特に、毎日生成AIを利用する人では、利用しない人に比べて、中等度以上の抑うつ症状を報告する可能性が約30%高かった(オッズ比1.29、95%信頼区間1.15〜1.46)。このような関連は、不安や苛立ちにおいても同様に認められた。年齢層ごとに見ると、抑うつ症状のリスクは中年層でより顕著であり、中等度以上の抑うつ症状のオッズ比は、45〜64歳の生成AI利用者で1.54(95%信頼区間1.24〜1.92)、25〜44歳では1.32(同1.13〜1.54)であった。さらに、利用目的別に見ると、個人的な用途での利用の影響が特に大きかった。 研究グループは、「われわれは、毎日の生成AIの利用が一般的であり、抑うつ症状や不安、苛立ちなどの否定的な感情や症状と有意に関連していることを明らかにした」と結論付けている。ただし、本研究はデザイン上、生成AIが抑うつ症状を促進しているのか、それとも抑うつ症状のある人が慰めやサポートを求めて生成AIに頼っているのかは判断が難しいと、研究グループは述べている。 本研究には関与していない米ノースウェル・ヘルス傘下ファインスタイン医療研究所のSunny Tang氏も、「両者の関連の方向性を判断するのは難しい」と指摘している。同氏は、「すでに精神的症状を抱えている人は、孤独感を紛らわせたり、症状に対する支援を得たりするために、個人的に生成AIを利用する傾向があるのかもしれない。生成AIとメンタルヘルスの関係を考える際には、生成AIの利用がメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性はあるのか、あるいは、メンタルヘルスの状態の違いがAIとの関わり方に影響を与えるのかなど、複数の方向性を考慮する必要がある」と述べている。 Tang氏はさらに、「本研究結果はまた、生成AIを提供する企業が、人々のメンタルヘルスを考慮した製品を開発する必要性を示している。精神疾患やメンタルヘルス上の症状を抱える人が積極的にこれらの製品を利用することを、常に念頭に置くべきだ。医師にとっては当然のことだが、何よりも優先すべきは『害を及ぼさないこと』である」と述べている。(HealthDay News 2026年1月22日) https://www.healthday.com/health-news/mental-health/spending-a-lot-of-time-with-ai-chatbots-youve-a-higher-risk-for-depression-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock