孫の世話をすることは脳の老化に良い影響を与え、認知機能の低下を防ぐ可能性があるようだ。新たな研究で、孫の世話をする高齢者は、世話をしていない高齢者と比べて、記憶力や言語能力のテストのスコアが高いことが示された。興味深いことに、このような効果は、孫の世話をする頻度とは関係していなかったという。ティルブルフ大学(オランダ)のFlavia Chereches氏らによるこの研究結果は、「Psychology and Aging」に1月26日掲載された。 Chereches氏は、「われわれにとって最も印象的だったのは、孫の世話をすること自体が、どのくらい頻繁に世話をしたか、あるいは具体的にどのような活動を一緒に行ったかよりも、認知機能に影響を与えるように見えたことだ」とニュースリリースで述べている。 この研究では、英国の高齢者を対象とした長期研究(English Longitudinal Study of Ageing;ELSA)に参加した50歳以上の祖父母2,887人(平均年齢67.46歳、祖母56.70%)のデータを用いて、祖父母による孫の世話と認知機能との関連を検討した。試験参加者は、2016年から2022年の間に3回、アンケートに回答し、認知機能(言語流暢性、エピソード記憶)の評価を受けた。アンケートでは、過去1年間に、親のいない状態で孫の世話をしたかどうか、どのくらいの頻度で世話をしたか、どのような活動を行ったかが尋ねられた。 その結果、世話の頻度にかかわらず、孫の世話をしている祖父母はいずれも、世話をしていない祖父母に比べて、言語流暢性とエピソード記憶のレベルが高く、世話をすること自体が高齢者の脳に良い影響を与える可能性が示された。ただし、経時的に見た場合に認知機能低下が抑えられていたのは祖母のみであった。また、世話をする頻度と認知機能との関連を検討したところ、有意な関連は認められず、頻繁に世話をしているからといって影響が大きくなるわけではないことが示唆された。一方、世話の内容別に検討すると、孫との余暇活動や宿題の手伝いを頻繁に行っている祖父母では、頻度が低い祖父母に比べて言語流暢性とエピソード記憶のレベルが高かった。さらに、孫の食事の準備や学校への送迎を行う頻度が高い祖父母では、言語流暢性が高い傾向が見られた。 Chereches氏は、「さらなる研究によりこの結果が再現されるか確認する必要はあるが、もし祖父母による孫の世話に何らかの利点があるとすれば、それは、世話の頻度や具体的な活動内容よりも、孫の世話に関わる経験そのものに起因する可能性がある」と述べている。 Chereches氏はさらに、「支援的な家族環境の中で自発的に孫の世話をする場合と、世話が自発的ではなく負担に感じられるような、よりストレスの多い環境で世話をする場合とでは、祖父母に及ぶ影響は異なる可能性がある」と指摘し、祖父母の認知機能にもたらされ得る利点が、家族関係により影響されるのかを検討する必要があると述べている。(HealthDay News 2026年1月27日) https://www.healthday.com/health-news/senior-health/grandparenting-good-for-the-aging-brain-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock