夜更かしの習慣は、心臓の健康に悪影響を与えているかもしれない。クロノタイプが夜型の中高年は、朝型でも夜型でもない中間型の中高年と比較して、心臓の健康状態が悪い傾向にあることが、新たな研究で示された。この研究を主導した米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院内科部門のSina Kianersi氏は、「夜型の人は、食事の質が低かったり、喫煙したり、睡眠が不足していたり不規則だったりと、心血管の健康に影響を及ぼす行動を取りがちな可能性がある」と述べている。この研究結果は、「Journal of the American Heart Association」に1月28日掲載された。 研究グループによると、夜型の人は体内時計とも呼ばれる概日リズムが乱れることが多く、それが健康的な行動や心代謝機能に悪影響を及ぼす可能性が考えられるという。今回の研究では、心血管疾患(CVD)の既往がない39〜74歳のUKバイオバンク参加者32万2,777人(ベースライン時の平均年齢57歳)を対象に、クロノタイプ(朝型、夜型、中間型)とCVDリスクとの関連を検討した。CVDリスクはAHAのLife's Essential 8(LE8)を用いて評価した。LE8は、CVDリスクとして4つの健康行動(食習慣、身体活動、喫煙、睡眠)、および4つの健康因子(BMI、血清脂質、血糖、血圧)をそれぞれ0〜100点で評価し、全項目の平均点を包括的LE8スコアとする。スコアは高いほど心血管の健康状態が良好であることを示す。 対象者の67%が朝型でも夜型でもない中間型のクロノタイプであり、夜型は8%であった。解析の結果、中間型の人に比べて夜型の人ではLE8スコアが50点未満になる可能性が79%高いのに対し、朝型の人では5%低いことが示された。追跡期間の中央値は13.8年で、その間に1万7,584件のCVDイベントが発生した(心筋梗塞1万1,091件、脳卒中7,214件)。CVDの発症リスクは、中間型のクロノタイプの人と比べて、夜型の人では16%有意に高かった。一方、朝型の人と中間型の人との間でリスクに有意な差は見られなかった。クロノタイプとCVDとの関連にLE8がどの程度影響しているのかを検討したところ、中間型の人と比べた場合の夜型の人におけるLE8を介した間接的な効果によりCVDリスクは11%上昇すると推定された(ハザード比1.11、95%信頼区間1.09〜1.13)。これは、夜型の人でのCVDリスク上昇の75%はLE8の因子により説明されることを意味する。 ただし、これらの結果には良い側面もあるとAHAで概日リズムと心臓の健康に関する声明を担当する米ノースウェスタン大学のKristen Knutson氏は、ニュースリリースの中で指摘している。本研究には関与していない同氏は、「CVDリスクの大部分は生活習慣に起因することから、夜型だからといって心臓の健康が必ず損なわれるわけではない。今回の研究では、夜型の人に認められたCVDリスクの上昇は、喫煙や睡眠など改善可能な行動の影響を受けていることが示された。つまり、夜型の人でも心血管の健康を向上させる方法はあるのだ」と話す。その上で同氏は、「夜型の人が本質的に不健康というわけではないが、健康維持に特に注意が必要な状況に置かれてはいる」と結論付けている。(HealthDay News 2026年1月28日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/night-owls-have-worse-heart-health-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock