覚醒促進薬のsolriamfetol(商品名Sunosi)が、早朝シフトワーカーにとって、目覚めの1杯のコーヒーの代わりになる可能性を示した臨床試験の結果が報告された。同試験の対象となった早朝シフトワーカーのうち、solriamfetolを使用した人は、プラセボを使用した人と比べて眠気が少なく、より覚醒した状態を維持していたという。米マス・ジェネラル・ブリガム睡眠・サーカディアン医学部門長のCharles Czeisler氏らが実施したこの臨床試験の詳細は、「NEJM Evidence」に1月27日掲載された。 Czeisler氏は、「今回認められた改善は、臨床的に意義のあるものだった。solriamfetolを使用した労働者は、8時間の勤務時間を通じて覚醒した状態で注意力を保つことができていた。これは、業務のパフォーマンスや安全性、そして生活の質(QOL)の面で重要な意味を持つ」とニュースリリースの中で述べている。 米食品医薬品局(FDA)は2019年、閉塞性睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーの患者の日中の覚醒度を改善するための薬剤としてsolriamfetolを承認した。同薬を製造するAxsome Therapeutics社によると、solriamfetolは覚醒や注意力に関与する脳内化学物質であるドパミンとノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の活性を高めることで作用する。 Czeisler氏らによると、solriamfetolは従来の刺激薬とは異なる作用を持ち、数時間にわたって覚醒状態を維持しつつも、その後の睡眠には影響しにくいという。このことからCzeisler氏らは、この薬剤が早朝シフトワーカーの助けにもなるのではないかと考えた。マス・ジェネラル・ブリガム同部門のKirsi-Marja Zitting氏は、「午前3時から7時の間に勤務を開始する人は、脳が睡眠状態となるよう生物学的にプログラムされている時間帯に目覚めている。そのため、たとえ意欲はあっても覚醒状態を保つことは極めて困難だ。こうした労働者は、勤務時間中に強い眠気に襲われ、さらに、休息時間があっても十分な睡眠を取りにくいという二重の負担を抱えている」とニュースリリースの中で述べている。 臨床試験では、午前3時から7時の早朝勤務が原因で過度の眠気に悩んでいる早朝シフトワーカー78人を対象に、4週間にわたって勤務日にsolriamfetolを使用する群とプラセボを使用する群に割り付け、眠気に対するsolriamfetolの有効性を評価した。 その結果、日中の眠気を測定するMSLT検査(反復睡眠潜時検査)において、solriamfetol群の入眠潜時は、プラセボ群に比べて9.4分有意に延長した。また、自己申告に基づく評価と健康状態のモニタリングを担当している医師による評価のいずれにおいても、solriamfetol群では眠気改善の可能性が約4倍高いことが示された。さらに研究グループは、solriamfetol群では全般的な機能や仕事の生産性の向上が報告されたと説明している。 Czeisler氏は、「早朝のシフトワークは最も一般的なシフトスケジュールであるにもかかわらず、早朝シフトワーカーを対象にシフト勤務障害の治療法を検証した臨床試験はこれまでなかった」と指摘した上で、「今回の臨床試験は、多くの人がまだ眠っている時間帯に1日が始まる労働者に焦点を当てることで研究上の大きな空白を埋めることに寄与した」と付け加えている。同氏は、「シフトワーカーは、われわれの社会を機能させる上で不可欠な存在だが、それは目に見えにくい彼らの生物学的な代償のもとで成り立っている。今回の臨床試験は、彼らのためにより良い支援が可能であることを示している」と話している。 なお、この臨床試験はAxsome Therapeutics社の資金提供を受けて実施された。(HealthDay News 2026年2月2日) https://www.healthday.com/health-news/sleep-disorder/non-stimulant-pill-helps-early-bird-workers-remain-awake-and-alert Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Phovoir -- Adobe Stock