過活動膀胱の治療に使われる薬であるオキシブチニン塩酸塩(以下、オキシブチニン)が、前立腺がんのホルモン療法であるアンドロゲン除去療法(ADT)を受けている男性のほてり(ホットフラッシュ)軽減にも有効であることが、ランダム化比較試験で示された。オキシブチニン(5mg、2.5mg)群ではプラセボ群と比較して、1日当たりのホットフラッシュの回数が有意に減少し、症状による生活への支障度も有意に改善したという。米メイヨー・クリニックの放射線腫瘍科医であるBradley Stish氏らによるこの研究結果は、「Journal of Clinical Oncology」に1月26日掲載された。Stish氏は、「これらの結果は、この困難で見過ごされがちな前立腺がん治療の副作用を管理する上で、オキシブチニンが有効な選択肢であることを強く支持するものだ」と話している。 ADTは、がん細胞の成長を促すテストステロンなどの男性ホルモンのレベルを下げる治療法で、前立腺がんに対して有効だが、治療を受けた患者の最大80%にホットフラッシュを引き起こし、疲労や睡眠障害を招く。これらの副作用を理由に、患者が薬の服用を中止してしまうケースも少なくないという。 過去の研究では、オキシブチニンが女性のホットフラッシュを大幅に軽減することが報告されている。このことからStish氏らは、この薬が男性にも有効である可能性を考えた。そこで同氏らは、ADTを継続的に受けており、週当たりのホットフラッシュの回数が28回以上の前立腺がん患者88人を対象に、オキシブチニンのホットフラッシュ軽減効果を検討するランダム化比較試験を実施した。対象者は、6週間にわたりオキシブチニン5mg(高用量)または2.5mg(低用量)を1日2回服用する群とプラセボ群にランダムに割り付けられた。 最終的に81人が解析対象とされた。試験開始時における1日当たりのホットフラッシュの回数は平均10.1回、1日当たりのホットフラッシュスコアの平均点は18.2点であった。試験開始から6週後における1日当たりのホットフラッシュの回数は、プラセボ群で2.15回、低用量群で4.77回、高用量群で6.89回減少し、両方のオキシブチニン群で、プラセボ群よりも有意な改善が認められた。また、ホットフラッシュスコアの平均低下量は、プラセボ群で4.85点、低用量群で9.94点、高用量群で13.95点であり、高用量群でプラセボ群と比べて統計学的に有意な改善が認められた。さらに、Hot Flash–Related Daily Interference Scale(HFRDIS)で評価したホットフラッシュによる生活への支障度の総スコアの低下量は、プラセボ群での3.1点に対し、低用量群では14.2点、高用量群では20.7点であり、オキシブチニン投与群ではいずれもプラセボ群より有意に改善した。 Stish氏は、「この結果は非常に励みになる。ADTに伴うホットフラッシュに悩む男性にとって、症状の負担を軽減する新たな治療オプションが利用可能になったのだ」と述べている。同氏は今後の研究で、これらの患者におけるホットフラッシュ治療の選択肢について、さらに詳しく調べる予定だとしている。(HealthDay News 2026年2月4日) https://www.healthday.com/health-news/cancer/pill-can-reduce-hot-flashes-among-prostate-cancer-patients Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock