耳鳴りは、簡単にやり過ごせるもののように思われがちだ。しかし、最新の研究によると、耳鳴りは人のキャリアに大きな影響を及ぼす可能性があるようだ。約5人に1人の成人が、耳鳴りが原因で労働時間を減らしたり、仕事を辞めたことがあると回答したことが明らかになった。英アングリア・ラスキン大学のEldré Beukes氏らによるこの研究結果は、「Brain Sciences」に1月29日掲載された。Beukes氏は、「一部の人にとって、耳鳴りは単なる持続的な音以上のものだ。安定した雇用や職場でのウェルビーイングの妨げとなり、難聴や不安、睡眠トラブルを引き起こすことも珍しくない」と述べている。 耳鳴りとは、外部に音源がないのにベルなどが鳴り響く音や、蚊などがブンブンいう音、シューという空気が漏れるような音などが聞こえる現象であり、人口の約15%が耳鳴りを有しているとされている。 今回の研究では、耳鳴りを有する449人の成人(平均年齢54.4歳)に対して、症状が仕事の生産性にどのような影響を与えているのかが評価された。 その結果、7%が耳鳴りが原因で仕事を辞めたと回答し、11%が労働時間を減らしたと回答した。また、1%は障害手当を受給していた。質問に回答した310人の試験参加者の72%(223人)が、「耳鳴りによって仕事に支障をきたしている」と回答した。具体的な影響としては、耳鳴りによって「集中しにくい」「生産性が落ちる」「コミュニケーションが難しくなる」などの問題が生じ、「疲れやすくなった」「仕事が遅くなった」「ミスが増えた」と回答した人も多かった。 一方で、この研究では、耳鳴りによる影響を軽減する方法があることも示唆された。参加者のうち200人が、耳鳴りへの対処法を学ぶオンライン認知行動療法(ICBT)プログラムを受講した。その結果、受講後には、「労働時間を減らす必要がある」と回答した参加者が大幅に減り、耳鳴りによるストレス、不安、抑うつ、不眠も改善した。 Beukes氏は、「職場は、耳鳴りが生産性に影響を及ぼす可能性がある状態であり、合理的な配慮が必要となる場合があることを認識すべきだ。柔軟な働き方、聴覚関連テクノロジーへのアクセス、管理者の理解促進などの措置は、耳鳴りを有する人が就労を継続する助けとなるだろう」と述べている。 研究グループは、「この結果は予備的であり、今後、対照群を含めた検証が必要だ」としながらも、適切なサポートがあれば耳鳴りを有する人も仕事を続けやすくなる可能性があることを指摘している。Beukes氏は、「早期の支援は、個人の負担を軽減するだけでなく、労働能力低下による経済的損失の軽減にもつながる」と話している。(HealthDay News 2026年2月12日) https://www.healthday.com/health-news/hearing-loss/tinnitus-harms-1-in-5-careers-survey-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock