ドライパウダー吸入器(DPI)は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者にとって二重のメリットをもたらす可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。3種類の長時間作用型抗コリン薬(LAMA)・長時間作用型β2刺激薬(LABA)配合吸入薬の効果を比較した研究で、ドライパウダー吸入器(DPI)は、噴霧式吸入器(MDI)やソフトミスト吸入器(SMI)と比較して、COPD患者の増悪を減らすことが示された。さらに、DPIはこれらの中で環境への悪影響が最も少ない点でも優れている。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ヘルスの肺専門医およびヘルスサービス研究者であるWilliam Feldman氏らによるこの研究結果は、「JAMA Internal Medicine」に2月23日掲載された。 MDIは、薬剤を肺に届けるためにプロペラント(噴射薬)を使う。しかし、プロペラントは多量の温室効果ガスの排出源であり、気候変動の一因になると研究者らは指摘している。Feldman氏は、「今回調査した吸入薬は、多くのCOPD患者にとって第一選択の治療薬だ。温室効果ガスの排出量がより少ない吸入器の臨床アウトカムが、わずかであっても優れているというエビデンスが得られたのは心強いことだ。これらの結果は、患者ケアを改善しつつ、医療関連の温室効果ガスの排出量を削減できる可能性があることを示している」と述べている。 この研究では、ウメクリジニウム臭化物・ビランテロール配合のDPI、グリコピロニウム臭化物・ホルモテロール配合のMDI、チオトロピウム・オロダテロール配合のSMIの3種類について、安全性と有効性を検討した。DPIとMDIの比較には9,479組(平均年齢68.9歳)、SMIとMDIの比較には9,598組(平均年齢69.2歳)、DPIとSMIの比較には3万6,740組(平均年齢71.5歳)を対象とした。 その結果、DPI群ではMDI群に比べて、中等症〜重症のCOPD増悪リスクが14%(ハザード比0.86、95%信頼区間0.81〜0.91)、SMI群と比べて3%(同0.97、0.94〜0.99)低いことが明らかになった。また、SMI群とMDI群の比較では、SMI群の同リスクが6%低かった(同0.94、0.89〜1.00)。SMIもプロペラントを必要としない。 Feldman氏は、「こうした臨床的および環境面での利点は、可能な場合にはDPIを使用すべきであることを強く示している。MDIが必要な患者もいるが、DPIとSMIは、ほとんどのCOPD患者にとって安全で効果的な選択肢である」と述べている。(HealthDay News 2026年2月24日) https://www.healthday.com/health-news/pulmonology/dry-powder-inhalers-a-double-win-for-copd-and-environment Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: dtatiana/Adobe Stock