女性は男性よりも動脈硬化の原因となるプラークの形成が少ない傾向にあるが、それは、必ずしも心臓の健康を守ることにつながるとは限らないようだ。冠動脈にプラークが認められる女性の割合は男性より少なく、量も少ない傾向があるにもかかわらず、心筋梗塞や胸痛による入院などの主要心血管イベント(MACE)のリスクは男性とほぼ同程度であることが明らかになった。米ハーバード大学医学大学院放射線医学分野のBorek Foldyna氏らによるこの研究の詳細は、「Circulation: Cardiovascular Imaging」に2月23日掲載された。 心疾患や動脈の詰まりは男性に多いというイメージがあるが、米国心臓協会(AHA)の統計によると、米国における心疾患による死亡の47%は女性が占めている。Foldyna氏は、「女性は冠動脈が男性より細いため、少量のプラークでもより大きな影響を受ける可能性がある」と述べている。 今回の研究では、臨床試験(Prospective Multicenter Imaging Study for Evaluation of Chest Pain;PROMISE)参加者4,267人(平均年齢60.4±8.2歳、女性2,199人)のデータを用いて、冠動脈プラークとMACEとの関連が検討された。これらの参加者は、米国とカナダの193の病院で胸痛の治療を受けており、冠動脈CT検査により総プラーク体積とプラーク負荷(血管体積に占めるプラークの割合)が測定されていた。MACEは、死亡、心筋梗塞、不安定狭心症による入院を対象とした。 解析の結果、冠動脈にプラークが認められた参加者の割合は、女性で55%、男性で75%であり、両群間に統計学的な有意差が認められた(P<0.001)。しかし、MACEの発生率は、女性で2.3%、男性で3.4%とほぼ同等であった。MACEリスク(ハザード比)が1.0を超える、つまりリスクが上昇に転じるプラーク負荷は女性で20%、男性で28%、ハザード比が1.5になるプラーク負荷はそれぞれ32%と42%であった。 これらの結果から研究グループは、「女性の心臓の健康を守るためには、性別に応じたガイドラインが必要になる可能性がある」と指摘している。また、Foldyna氏は、「プラーク量が中程度に増加しただけでも、女性では不釣り合いにリスクが高まる傾向があり、現在の標準的な高リスクの定義では、女性のリスクを過小評価している可能性がある」と述べている。 本研究には関与していないAHAのボランティア会長を務める、米カッツ女性健康研究所のStacey Rosen氏は、ニュースリリースの中で、「これらの知見は、心血管疾患が男女でいかに異なる形で影響を及ぼすかを認識することの重要性を改めて示すものだ」とコメントしている。 さらにRosen氏は、「女性と男性では、病気の現れ方に生物学的に根本的な違いがあるという認識がようやく広がりつつある。こうした違いは、リスク要因から症状、治療に対する反応に至るまで、あらゆる面に影響を及ぼす」と述べている。(HealthDay News 2026年2月24日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/womens-heart-health-at-greater-risk-from-lower-levels-of-artery-plaque-study-shows Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock