医療に伴う負債がある人は、将来の疾病予防に必要な医療を後回しにしがちであることが、新たな研究で明らかになった。この傾向は、特に歯科とメンタルヘルス領域で顕著であったという。米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のCatherine Ettman氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of General Internal Medicine」に3月10日掲載された。Ettman氏は、「定期的なケアや予防医療を受けないことは、患者の健康状態を悪化させ、結果として医療費の増加につながる。その負担は、患者だけでなく、保険者や米国の医療費の多くを負担している納税者にも及ぶ」とニュースリリースで述べている。この研究では2023年に実施された米国国民健康面接調査(National Health Interview Survey;NHIS)のデータを用いて、医療に伴う負債が一般診療、メンタルヘルス医療、歯科医療の後回しと関連するのかを検討した。データが揃った2万8,699人の参加者のうち、10.7%に当たる2,835人が過去12カ月間に医療に伴う負債があったことを報告した。負債は保険未加入者で最も多く(19.5%)、次いでメディケイド加入者(12.6%)、民間保険加入者(9.3%)、メディケア加入者(8.1%)の順だった。医療に伴う負債がある人の33.3%が費用を理由に医療受診を後回しにしていたのに対し、負債のない人での割合は5.3%だった。メンタルヘルスの受診を後回しにした人は、医療に伴う負債がある場合は20.3%、ない場合は5.1%、歯科受診ではそれぞれ53.2%と17.3%だった。社会人口統計学的特徴を調整して解析した結果、医療に伴う負債は受診を後回しにする可能性の増大と関連し、その増加幅は歯科受診で24.6パーセントポイントと最も大きく、次いで医療受診で17.6パーセントポイント、メンタルヘルス受診で9.3パーセントポイントであった。研究グループは、必要な医療を後回しにすることは、早期に発見できたはずの健康問題のリスクを高めると指摘している。こうした未治療の問題は、別の疾患を引き起こす可能性もある。例えば、口腔の健康状態の悪化は、心疾患や認知機能の低下などと関連していることが報告されている。論文の筆頭著者である同大学のKyle Moon氏は、「医療費を患者が無理なく支払えるようにする政策や、医療に伴う負債が連鎖的にもたらす影響に対処する政策は、受診の遅れが健康や経済に及ぼす影響を軽減する上で極めて重要だ」と述べている。(HealthDay News 2026年3月16日)https://www.healthday.com/health-news/general-health/medical-debt-forces-many-to-skip-essential-health-careCopyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock