耐え難いほどの激しい痛みを引き起こすことがある尿路結石の予防には、水分を多く摂取することが推奨されている。しかし、新たに報告された大規模臨床試験で、水分摂取量の増加を促す行動介入プログラムによって尿路結石患者の水分摂取量が増え、尿量が増加しても、再発率は対照群と同程度であったことが明らかになった。また、尿路結石の予防につながり得る十分な量の水分を摂取し、それを維持することは、実際には極めて難しいことも示唆された。米デューク大学医学部泌尿器科学・ポピュレーションヘルスサイエンス准教授のCharles Scales氏らによるこの試験の詳細は、「The Lancet」に3月21日掲載された。Scales氏は、「尿路結石の再発予防には十分な水分摂取が重要であるにもかかわらず、尿路結石患者にとって極めて多量の水分を摂取し、それを継続することは、考えている以上に難しいことが今回の試験で示された」とニュースリリースで述べている。米国腎臓財団(NKF)によると、尿路結石は尿中のミネラルや化学物質で形成される。尿路結石は、結石が存在する場所により、腎臓結石、膀胱結石、尿管結石、尿道結石に分類され、脇腹や背中の激しい痛み、血尿、吐き気や嘔吐、発熱や悪寒などの症状を特徴とする。米国では約11人に1人が尿路結石を有しており、その約半数が再発を経験するとされている。NKFの説明では、水分を十分摂取しないと尿の濃度が高まり、結石が形成されやすくなるとされている。研究グループは、米国の6施設の病院で12歳以上の尿路結石患者1,658人(年齢中央値44歳、女性57%)を対象に、水分摂取量を増やすための行動介入プログラムにより、対照群と比較して、症状を伴う尿路結石の再発が減少するかを検討した。行動介入プログラムでは、個々の患者に水分の目標摂取量が設定されたが、いずれも尿量1日2.5L以上の達成を目標としていた。介入群に割り付けられた患者(826人)には、水分摂取量を記録するスマートウォーターボトルが配布され、目標水分量が達成されると1日1.50ドル(1ドル158円換算で237円)の報酬が与えられた。さらに、水分補給を促すリマインドメッセージが送信され、健康に関するコーチングも行われた。対照群(832人)にもスマートウォーターボトルが提供されたが、金銭的な報酬やコーチングは提供されなかった。その結果、中央値738日にわたる追跡期間中に、介入群では対照群と比べて水分摂取量が増え、尿量も増えていた。しかし、結石の成長度合いや新たな結石の発生については両群間で統計学的に有意な差は見られなかった。研究グループは、年齢や体格、生活習慣、健康状態といった要因に基づき水分の目標摂取量を個別化する必要性を示唆していると指摘している。共著者の1人である米フィラデルフィア小児病院のGregory Tasian氏は、「全ての患者に対して同じ水分の目標摂取量を示すのではなく、どの患者がどの程度の目標量によって効果を得られるのかを判断し、アドヒアランスが低下する原因を理解し、再発を確実に減らすための行動学的および医学的な介入を構築すべきだ」とニュースリリースで述べている。研究グループはまた、水分摂取のみでは期待されたほどの効果が得られないのであれば、尿中のミネラルが溶解した状態を保持する新たな治療法が必要になると付け加えている。論文の筆頭著者である米セントルイス・ワシントン大学の泌尿器科医であるAlana Desai氏は、「尿路結石は慢性疾患であり、時に耐え難い痛みを伴う予測できない発作によって、仕事や睡眠、生産性、生活全般に支障をきたす」とニュースリリースで説明している。同氏は、「ほとんどの人が、再発リスクを低減する簡便な方法を求めている」と付け加えている。(HealthDay News 2026年3月26日) https://www.healthday.com/health-news/kidney-health/can-you-drink-enough-fluids-to-prevent-kidney-stones-maybe-not-new-study-says Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock