重症の尋常性乾癬患者は、効果があまり高くないが服用しやすい内服薬か、効果は極めて高いが手間のかかる注射製剤による治療かのいずれかを選ばざるを得ないことが多い。しかし、こうしたトレードオフは今後、変わる可能性がある。中等症から重症の尋常性乾癬患者約1,800人を対象とした2件の第3相臨床試験で、次世代のチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬Zasocitinib(ザソシチニブ)の1日1回の経口投与が、これまで注射製剤でしか期待できなかったレベルの皮膚の改善をもたらす可能性が示された。この研究結果は、米国皮膚科学会(AAD)年次総会(2026 AAD Annual Meeting、3月27〜31日、米デンバー)で発表された。尋常性乾癬は、皮膚細胞の増殖が過剰に速くなることで、厚く盛り上がった赤い発疹と銀白色の鱗屑を形成する疾患であり、増悪時にはかゆみや灼熱感を伴う。一方、武田薬品工業株式会社が開発を主導しているZasocitinibは現在、最終段階の試験中であり、米食品医薬品局(FDA)の承認は得られていない。この2件の国際多施設共同ランダム化比較試験では、21カ国の中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者(各試験の対象者数は693人および1,108人)を対象に、Zasocitinibの有効性と安全性および忍容性が評価された。対象者は、Zasocitinib、プラセボ、または実薬対照のアプレミラストを投与する群にランダムに割り付けられた。その結果、16週時点で医師による静的総合評価(sPGA)のスコア0(消失)/1(ほぼ消失)を達成した患者の割合は、Zasocitinib群で71.4%および69.2%だったのに対し、プラセボ群では10.7%および12.6%、アプレミラスト群では32.1%および29.7%であり、Zasocitinib群で有意に高かった。皮膚症状の完全な消失(sPGAスコア0)の達成率についても、Zasocitinib群で有意に高かった(Zasocitinib群:39.9%および33.7%、プラセボ群:0.7%および1.4%、アプレミラスト群8.0%および6.5%)。また、16週時点で、乾癬の面積と重症度の指数であるPASI(Psoriasis Area and Severity Index)による評価でPASI 90(ベースラインから90%以上の改善)を達成した割合は、Zasocitinib群で61.3%および51.9%であり、プラセボ群での5.0%および4.0%、アプレミラスト群での16.8%および15.9%と比較して有意に高かった。さらに、40週時点でPASI 75、PASI 90またはsPGA 0/1を達成し、試験期間を通じてZasocitinib投与を継続した患者の90%以上が、60週時点でもその効果を維持していた。安全性については、新たな懸念は認められなかった。最も一般的な副作用は、風邪のような上気道感染症など、比較的軽度のものであった。また、約6.5%の患者でにきび(ざ瘡)が報告されたが、これはTYK2阻害薬と呼ばれるこの薬剤クラスの既知の副作用である。主任研究者であるカナダ・オンタリオ州の皮膚科医のMelinda Gooderham氏は、「乾癬治療の目標は皮膚症状の消失またはほぼ消失であり、これまでは主に注射製剤によって達成されてきた。今回の試験の結果は、1日1回の内服薬でも迅速かつ持続的な症状消失効果が得られる可能性を示した」と述べている。武田薬品工業株式会社の消化器・炎症領域責任者でシニア・バイスプレジデントのChinweike Ukomadu氏は、「本試験の結果は、高選択的なTYK2阻害が中等症から重症の尋常性乾癬患者に対し、皮膚症状の消失、またはほぼ消失という治療効果をもたらす可能性を示している」と述べている。同社は、今後1年以内にFDAへの承認申請を行う予定である。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年4月2日) https://www.healthday.com/health-news/skin-health/new-pill-could-change-plaque-psoriasis-treatment Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock