新しい迅速尿検査により、尿路感染症(UTI)の治療がより的確で効果的になる可能性が新たな研究で示された。現状の検査では、個々のUTIに効果的な抗菌薬を特定するまでに2~3日かかるが、新しい検査では約6時間で結果が得られるため、検査当日に適切な抗菌薬を処方できる可能性がある。英レディング大学発のスピンアウト企業であるAstratus Limited社のCEOで、同大学薬学部のOliver Hancox氏らによるこの研究は、「JAC-Antimicrobial Resistance」4月号に掲載された。Hancox氏は、「現行の検査方法では、結果が届く頃には患者がすでに抗菌薬の服用を終えていたり、効果のない薬を処方されていたりすることがあった。検査当日に適切な抗菌薬を医師に伝えることができれば、患者はより早く適切な治療を受けることができる。その結果、耐性菌の発生リスクや、感染症が重篤な敗血症へ進行するリスクを低減できる」とニュースリリースで説明している。現行の検査では、尿サンプルを一晩培養して細菌を識別可能なレベルまで増殖させる必要がある。一方、新しい検査(Rapid Microcapillary Direct-from-Urine Antibiotic Susceptibility Testing;RMD AST)では、あらかじめ複数の抗菌薬が入った細いチューブ状のカートリッジを使用する。このカートリッジを直接尿サンプルに浸して機器に設置し、光学イメージングにより、それぞれの管の中で細菌が増殖するかどうかを6時間追跡する。細菌の増殖が抑えられればその抗菌薬は有効、増殖すれば無効と判断される。Hancox氏らは今回、この新しい検査の精度を確認するために、UTIが疑われる患者から採取した352件の尿サンプルの残余を用いて解析した。評価対象の抗菌薬は、UTIの第一選択薬として用いられるアンピシリン、アモキシシリン/クラブラン酸、トリメトプリム、ニトロフラントイン、シプロフロキサシン、セファレキシン、セフォキシチンの7種類であった。その結果、細菌と抗菌薬の組み合わせに対するRMD ASTと従来の検査法との一致率は96.95%で(572/590)あることが示された。RMD ASTの結果が得られるまでの時間は、平均5.85時間だった。さらに、尿サンプルに防腐・保存剤として用いられることのあるホウ酸がRMD ASTに及ぼす影響を検討するため、サンプルをホウ酸の有無で分けて直接比較した。その結果、ホウ酸の有無にかかわらず一致率は98.75%であった。今回の研究には関与していない英サウサンプトン大学のMatthew Inada-Kim氏は、「UTIは抗菌薬が必要となる一般的な疾患であり、最初から適切な治療を行うことは、患者にとって大きなメリットになる。通常の診療の中で採取されている検体をそのまま利用でき、かつ同日に結果が得られる検査は、実臨床における感染症管理を大きく変える可能性がある」と述べている。Astratus Limited社は、2024年11月に本検査を開発した研究グループにより設立され、現在、この検査の市場投入に向けた取り組みが進められている。本研究は、英国政府の資金提供を受けて実施された。(HealthDay News 2026年4月2日) https://www.healthday.com/health-news/general-health/new-rapid-urine-test-could-revolutionize-treatment-of-utis Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock