生命を脅かすClostridioides difficile感染症(C. difficile感染症)の患者では、糞便微生物移植(fecal microbiota transplantation;FMT)を迅速に行うことで生存率が改善する可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。FMTは、健康なドナーの腸内細菌を患者の消化管に移植し、腸内細菌叢のバランス回復を目指す治療法である。米ミネソタ大学医学部マイクロバイオータ治療プログラムディレクターのAlexander Khoruts氏らによるこの研究結果は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に4月6日掲載された。C. difficile感染症は、抗菌薬の使用によって腸内細菌叢が乱れると、日和見病原菌であるC. difficileが増殖して発症する。主な症状は重度の下痢や大腸炎などである。米疾病対策センター(CDC)によれば、抗菌薬の使用中または使用後3カ月以内では、C. difficileに感染するリスクが最大で10倍に高まる。米国では、C. difficile感染症により年間約1万5,000人が死亡しているという。今回の研究では、C. difficile感染症の重症患者18人を対象に、ミネソタ大学で開発された「重症患者向けの標準化されたFMTプロトコル」の有効性が検討された。患者の平均年齢は74歳で、集中的な抗菌薬治療にもかかわらず病状が悪化し続けており、手術が困難なほど状態が不安定だった。医師は大腸内視鏡を用いてFMTを実施し、健康な腸内細菌を患者の腸管内に移植した。移植前24時間は抗菌薬の投与を中止し、移植後約3日で再開した。この点について研究グループは、FMT後に4日以上抗菌薬を中断すると、C. difficileの再増殖リスクが高まる可能性があるためだと説明している。その結果、FMT後にC反応性蛋白(CRP)や白血球数などの炎症マーカーが急速に低下し、30日後の生存率は78%であった。Khoruts氏は、「今回の研究結果には重要な注意点がある。それは、C. difficile感染症の重症患者は極めて重篤であることが多く、FMT介入のタイミングは非常に限られているため、FMT製剤は、すぐに使用できる状態でなければならないという点だ。当大学には、医薬品基準に準拠したFMT製品製造施設が備わっており、凍結保存バンクに治療用ユニットを常備している点で、類を見ない環境が整っている」とニュースリリースで述べている。研究グループは、C. difficile感染症に対するFMTの有効性を十分に検証するためには、より大規模な研究が必要であると強調している。(HealthDay News 2026年4月9日) https://www.healthday.com/health-news/infectious-disease/this-treatment-can-improve-your-odds-of-surviving-c-diff-infection Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock