チームによる集中的な治療によって、コントロール不良の高血圧患者の血圧が大幅に低下する可能性があることが、米テュレーン大学疫学教授のKatherine Mills氏らによる新たな臨床試験で示された。高血圧患者のうち、チームベースの多角的な治療を1年半にわたって受けた患者では、収縮期血圧が平均で約16mmHg低下したという。この臨床試験の結果は、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に4月8日掲載された。研究グループによると、米国では成人の半数以上が130/80mmHg超で定義される高血圧に該当する。さらに問題なのは、高血圧患者の約78%で血圧が適切にコントロールされていないことだ。コントロール不良の高血圧は、心疾患や脳卒中、腎不全、認知症、早期死亡のリスク上昇と関連している。今回の臨床試験では、コントロール不良の高血圧患者1,272人(平均年齢58.8歳、女性56.7%)を対象に、チームベースの多角的な高血圧治療の効果が検討された。対象者は、多角的なアプローチで血圧管理を受ける介入群(642人)と、強化された標準ケアを受ける対照群(630人)にランダムに割り付けられた。多角的なアプローチは、医師や看護師などによるチーム医療、プロトコルに基づく厳格な血圧管理、血圧管理の評価とフィードバック、生活習慣・服薬のコーチング、家庭血圧測定で構成されていた。一方、標準ケアの強化として、医師に対して高血圧の診療ガイドラインに関する教育が実施された。18カ月後、介入群の収縮期血圧はベースラインから平均で15.5mmHg低下したのに対し、対照群では9.1mmHgの低下にとどまった。両群間の差は統計学的に有意であった(P<0.001)。研究グループによると、この収縮期血圧の差は、心筋梗塞や脳卒中、心不全といった心血管イベントの約10%の減少につながる可能性があるという。また、介入群では、収縮期血圧130mmHg未満の達成率が47.7%、120mmHg未満の達成率が21.8%だったのに対し、対照群の達成率は、それぞれ36.4%、15.1%にとどまっていた。筆頭著者のMills氏は、「高血圧を治療するためのツールは既に複数あるが、難しいのは、こうしたツールをプライマリケアに効果的に取り入れ、患者の薬物療法や生活習慣の改善の遵守につなげることだ。本試験では、農村部と都市部の低所得地域において、コントロール不良の高血圧患者を支援し、治療するチームによるアプローチが、血圧を効果的に低下させ得ることが示された」とニュースリリースの中で述べている。共著者でテュレーン大学医学部プライマリケア医学部門長のMarie Krousel-Wood氏は、「臨床試験に参加した患者の多くは長年にわたって高血圧の治療を受けてきた患者であった。このことから、臨床現場のような困難を伴う状況においてもこのアプローチが血圧低下に有効であることが示されたといえる」とニュースリリースで述べている。研究グループは、全米の約1,400施設に上る連邦政府認定保健センターや、人々がプライマリケアを受けるあらゆる場所に、こうしたチームベースのアプローチが導入されることを望んでいるという。論文の上席著者で米テキサス大学サウスウェスタン医療センター公衆衛生大学院疫学部門長のJiang He氏は、「コントロール不良の高血圧は、臨床および公衆衛生における重大な課題である。血圧コントロールを向上させるため、この効果的で持続可能かつ拡張可能な導入戦略を米国で広く採用すべきだ」と、ニュースリリースで主張している。(HealthDay News 2026年4月13日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/fighting-high-blood-pressure-having-a-team-on-your-side-can-help Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock