歯を失うと体重が増える可能性がある――そんな研究結果が報告された。歯の本数が少ないこと、噛み合わせ(咬合機能)や歯周の状態が悪いことは体重増加と有意に関連していることが示されたという。研究グループは、歯の喪失が咀嚼能力に影響し、それが健康的な食事の選択を制限する可能性があると指摘している。ペロタス連邦大学(ブラジル)のNatália Pola氏らによるこの研究結果は、「Journal of Periodontology」に3月6日掲載された。この研究では、ペンシルベニア州ピッツバーグとテネシー州メンフィスを拠点とする長期健康調査プロジェクト(Health ABC)の参加者903人を追跡して、口腔状態と体重の変化との関連が検討された。参加者は研究開始時に口腔検査を受け、歯の本数、咬合機能、歯周状態が評価された。咬合機能は機能歯ユニット(Functional Tooth Unit;FTU)により、歯周状態は、プロービングデプス(歯肉辺縁から歯周ポケット底部までの距離)または臨床的アタッチメントレベル(Clinical Attachment Level;CAL)により評価された。参加者は、2年時点と6年時点の体重の変化により、変化なし(568人、62.9%)、5%以上の体重減少(231人、25.6%)、5%以上の体重増加(104人、11.5%)の3群に分類された。解析の結果、体重減少については、歯の本数、咬合機能、歯周状態のいずれの指標とも有意な関連は認められなかった。一方、体重増加については、歯の本数が少ないこと、咬合機能が悪いこと、歯周の状態が悪いことが体重増加と有意に関連していた。特に、咀嚼に重要な役割を果たす臼歯が失われた場合には、体重増加のリスクが17%高かった。こうした結果について研究グループは、「歯の喪失は、果物や野菜などの食物繊維が豊富で健康的な食品を避け、柔らかくて高カロリーな食品を選ぶ傾向につながる可能性がある」と指摘している。また、Pola氏は、「特に臼歯など、機能的な歯の単位の喪失は、高齢者において4年間の体重増加リスクの上昇と関連していた」と結論付けている。本研究には関与していない、米国歯周病学会会長で歯周病専門医であるAna Becil Giglio氏は、「これらの結果は、特に高齢期においては、歯周の健康が全身の健康に重要な役割を果たすという、これまでの知見をさらに裏付けるものだ。健康な歯と歯茎を維持することは、より良い栄養状態や生活習慣、高齢期の生活の質(QOL)の向上をサポートする」とニュースリリースで述べた。研究グループは、健康的な体重の維持や減量を目指す人にとっても、口腔の健康管理は重要な要素となり得ると示唆している。ただし、歯の欠損と体重増加の関係をより正確に理解するためには、さらなる研究が必要だとも付け加えている。(HealthDay News 2026年4月13日) https://www.healthday.com/health-news/dental-care/losing-teeth-may-lead-to-weight-gain-researchers-report Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock