祖父がリクライニングチェアでうたた寝している――そんな光景は、多くの家庭にとって忘れがたい思い出だろう。しかし、その昼寝には見過ごせない側面があるかもしれない。新たな研究で、高齢者の昼寝の長さや頻度は全死因死亡リスクの上昇と関連している可能性が示された。米マス・ジェネラル・ブリガムのChenlu Gao氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に4月20日報告された。この論文の背景情報によると、高齢者の20~60%が昼寝をしている。今回、Gao氏らは、地域在住の56歳以上の成人1,338人(平均年齢81.40歳、女性76.0%)を対象に、活動量計で測定した昼寝の時間、頻度、日ごとのばらつき、時間帯と全死因死亡との関連を検討した。参加者は、解析のベースライン(2005年8月)から平均8.30年、最長19年間追跡された。昼寝は、最長14日間にわたって測定された活動量計のデータを基に、午前9時から午後7時の間の睡眠を「昼寝」と見なした。参加者は平均9.58日間、活動量計を装着した。69.2%(926人)が、解析のベースラインから平均7.54年後に死亡していた。解析の結果、ベースライン時の昼寝の時間が長いこと、および昼寝の頻度が高いことは、全死因死亡リスクの上昇と関連することが示された。具体的には、全死因死亡リスクは、昼寝の時間が1時間増えるごとに13%上昇し(調整ハザード比1.13、95%信頼区間1.04~1.23)、昼寝の頻度が1回増えるごとに7%上昇していた(同1.07、1.02~1.13)。昼寝の時間帯としては、午前中の昼寝は午後早い時間帯の昼寝と比べて全死因死亡リスクが30%高かった(同1.30、1.03~1.64)。一方、昼寝の時間の日ごとのばらつきと全死因死亡リスクとの間に有意な関連は認められなかった。こうした結果を受けて研究グループは、昼寝のパターンを追跡することで、高齢者の健康状態を把握する手がかりになる可能性があると指摘している。論文の筆頭著者であるGao氏は、「高齢期の過度な昼寝は、神経変性や心血管疾患、さらには罹患率の上昇と関連するとされてきた。しかし、これまでの多くの研究は対象者の自己申告に依存しており、昼寝の時間帯や規則性といった指標は十分に考慮されていなかった」とニュースリリースで述べている。Gao氏はさらに、「本研究は、客観的に測定された昼寝パターンと死亡率との関連を示した初期の研究の一つであり、昼寝のパターンを追跡することが、健康状態の早期発見に大きな臨床的価値を持つ可能性を示唆している」と述べている。ただし、この研究は観察研究であるため、昼寝と死亡リスクの間の因果関係を示すものではない。Gao氏は、「過度な昼寝は、基礎疾患や慢性疾患、睡眠障害、概日リズムの乱れなどを反映している可能性が高い。今回、昼寝のパターンと死亡率の間に強い関連があることが示されたことで、ウェアラブルデバイスを用いた昼寝の評価を導入し、健康状態の予測や悪化の予防に役立てる意義が示されたといえる」と述べている。なお、本研究には関与していない米ノースウェル・ヘルスの呼吸器・睡眠専門医であるSeymour Huberfeld氏によると、同氏が日中の強い眠気を訴える患者に対してまず行うのは、薬の副作用で眠気が生じていないかを確認することだという。その後、良質な睡眠を妨げる可能性がある健康問題の有無を調べる。同氏は、「原因となり得る健康問題はさまざまだ。心血管疾患、呼吸器疾患、未診断の睡眠時無呼吸症候群、あるいは多剤併用などが関与している可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2026年4月22日) https://www.healthday.com/health-news/sleep-disorder/napping-linked-to-higher-risk-of-death-among-seniors-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Prostock-studio/Adobe Stock