介助犬は私たちが考えている以上に、障害や病気を抱える人の「積極的なケア提供者」として行動しているようだ。人間と介助犬との協働的な相互作用を調査した新たな研究で、介助犬は、飼い主の健康状態を予測したり、移動を補助したり、人間やロボットでは代替できない方法で精神的な支えを提供したりするなど、目に見えないケア活動を行っていることが明らかになった。アールト大学(フィンランド)経営学部のAstrid Huopalainen氏とトゥルク大学(フィンランド)経済学部のSuvi Satama氏によるこの研究の詳細は、「Human Relations」に3月20日掲載された。この研究では、盲導犬や医療アラート犬などの介助犬13匹とその飼い主との日常生活の様子を、インタビュー、エスノグラフィー(民族誌)に基づく観察(集団や社会の行動様式を直接観察により理解する方法)、写真を通じて分析した。その結果、人と犬は言葉を使わず、しぐさや動き、反応を通じて互いを読み取り合っていることが示された。例えば、研究参加者の1人は、自宅で履くお気に入りのウールの靴下についてのエピソードを次のように語っている。「昨日帰宅したとき、靴下をどこに置いたのか分からなくて家の中を探しまわっていた。そのあとソファに座ると、犬が隣に来て、靴下を私の手に落とした。まるで、『ほら、これを探してたんでしょ』と言っているかのようだった。私が靴下のことを口にしたわけでもないのに、『これ、もうすぐ必要になるよね』と思ったようだった」。また、介助犬はケアの担い手としての役割を果たし、人間は自分の判断よりも犬の判断に頼らざるを得ない場合があることも明らかになった。「例えば、糖尿病の人は、犬が血糖値の変化を検知した際、その知らせに頼ることになる。犬の合図に従って血糖値を確認したり、必要な薬を適切なタイミングで使用したりすれば、深刻な事態を回避できる」とSatama氏は述べている。研究グループは、このような関係性によって、人と犬の従来の関係が、人間が犬の世話をするという一方向的なものではなくなり、その境界が曖昧なものになると指摘する。Satama氏は、「介助犬は人間を支え、人間もまた精一杯、介助犬の世話をする。このようにして、弱さが関係性となり、双方がケアを与え、そして受け取ることになる」と話す。Satama氏によると、研究中には、介助犬が「勤務時間外」であることを認識し、時には飼い主にいたずらをしたり、自分の判断で物事を進めたりする様子が見られたという。同氏は、「視覚障害のある人とその介助犬の集まりを観察していたときのことだ。犬たちは、飼い主のそばで床に伏せているよう指示されていた。突然、1匹の犬が、別の犬やにおいのする方へこっそり移動し始めたが、その犬の飼い主は、視覚障害のため気付かなかったが、その犬が自分の意思で行動していると感じた」と振り返った。研究グループは、この研究が、さまざまな組織における動物の多様な役割と、職場での動物の福祉についての議論を巻き起こすことを期待している。また、犬が単に、指示されたことを行うだけではなく、自分で状況を判断し、行動する能力を持ち合わせていると理解することが、より良いケアの実現につながる可能性があるとの見方を示している。その上で研究グループは、「本研究結果は、犬が主体的に判断し、行動するケアのあり方に光を当てることで議論を広げるものだ。同時に、人と動物の間のケア関係は、『彼らにとっての利益とは何か』『どのように相互の利益を実現できるのか』という観点から、動物の立場を真剣に考える倫理的責任を私たちに問いかけている」と結論付けている。(HealthDay News 2026年4月21日) https://www.healthday.com/health-news/pets/service-dogs-perform-tasks-akin-to-human-caregivers-researchers-say Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock