白血病などの血液悪性腫瘍の患者に対する臍帯血移植で、通常の単一臍帯血移植に加えて、複数ドナー由来の臍帯血を用いて製造された細胞製剤を追加投与する方法が有効である可能性が、臨床試験で示された。小規模な患者集団において、通常の臍帯血製剤の投与後にこのような幹細胞製剤を投与したところ、ほとんどの患者で重度の移植片対宿主病(GVHD)は認められず、28人中27人が少なくとも1年間生存したことが確認されたという。米フレッド・ハッチンソンがんセンターの臍帯血プログラム部門長のFilippo Milano氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of Clinical Oncology」に4月27日掲載された。Milano氏は、「移植患者が実質的に9人の異なるドナー由来の細胞の移植を受けたのは、これが初めてだ」とニュースリリースで述べている。臍帯血移植は、幹細胞移植を必要とする血液がんやその他の血液疾患患者に対する治療選択肢の一つである。幹細胞移植とは、造血機能を再構築する治療法である。臍帯血に含まれる幹細胞は、白血球の型(HLA〔ヒト白血球抗原〕)が完全に一致していなくても比較的安全に実施できるため、適合するドナーが見つからない患者にとって有力な選択肢となる。ただ、単一の臍帯血ユニットでは含まれる細胞数が少ないため、造血機能の回復が遅いことが課題であるという。研究グループは、今回の第2相臨床試験に白血病などの血液悪性腫瘍の患者28人を登録し、HLA適合単一ユニットの臍帯血移植後に、新たな幹細胞製剤であるdilanubicelを投与した。Deverra Therapeutics社が製造するdilanubicelは、6~8ユニットの異なるドナー由来の造血前駆細胞を組み合わせた製剤で、実験室内で培養・増殖させた後、患者に投与される。その結果、全ての患者で、好中球は中央値18日、血小板は中央値31日で回復が確認された。臍帯血移植片由来のリンパ球の早期増殖は9日目までに認められ、11日目にピークに達した。グレード3~4の急性または慢性GVHDは認められなかった。追跡期間中央値1.4年の時点で、28人中27人が生存しており、再発・病勢進行は認められていなかった。1人の患者が死亡した。別の患者では、移植の約1年後に再発が認められたが、追加治療により寛解に至り、その状態が1年以上維持されているという。Milano氏は、「プールされたドナー由来の幹細胞製剤に含まれる細胞が長期にわたって残存することはなかった。しかし、これらは全て、適合ドナー由来の臍帯血が患者に新しい健康な免疫システムを確立するのを支えた」と述べている。研究グループは現在、より多くの患者を対象とした追加の臨床試験の実施に向けて、資金調達を進めている。「幹細胞移植が必要な人、特に高リスク疾患を抱える患者にとって、臍帯血が重要な選択肢であることに変わりはない」とMilano氏は話している。(HealthDay News 2026年4月29日) https://www.healthday.com/health-news/cancer/pooled-umbilical-cord-blood-boosts-stem-cell-transplant-success-trial-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: AMELIE-BENOIST / BSIP/Adobe Stock