米国消化器病学会(AGA)は4月29日、現時点で推奨される痔の診断と治療に関するベストプラクティスを公表した。AGAは、痔の診断・治療は消化器内科医が積極的に担うべきだとした上で、症候性の痔に対する第一治療選択肢は、食生活を見直して便通を整え、スマートフォン(以下、スマホ)を見ながらトイレに長居する習慣を改めることだとしている。最新の「米国人のための食事ガイドライン」では、毎食でのタンパク質摂取や全脂肪乳製品の摂取が重視されているが、消化器専門医らは、高タンパク食、特に赤肉中心の食事に偏るあまり、食物繊維の摂取がおろそかになる傾向を懸念している。肉には食物繊維が含まれていないため、このような食事では食物繊維が不足して便秘を招き、いきみによって痔の悪化を引き起こす可能性があるためだ。便通を整えるためには、十分な食物繊維の摂取が欠かせない。栄養学の専門家は、男性では1日38g、女性では25gの食物繊維の摂取を推奨している。しかし、多くの米国人は必要量の食物繊維を摂取できていないという。食事と共に、トイレでの行動も重要である。現在、多くの成人がトイレを、メール確認やソーシャルメディア閲覧のための静かな空間として利用している。しかし、この「トイレスクロール」は痔の大きなリスク因子になるという。便座に長時間座ることで、肛門周囲の血管に圧がかかるためである。ガイドラインの筆頭著者である米ベイラー医科大学のWaqar Qureshi氏は、「トイレに座る時間は5分以内にすべきだ。5分以内に排便できない場合は、座り続けていきむのではなく、一度立ち上がり、後で再度試みるとよい」とNBCニュースに語った。同氏はさらに、足台を使ったり、本を積み重ねて足を高くしたりして、しゃがむ姿勢に近づけることで、いきみの軽減につながる可能性があると述べた。治療法については、ヒドロコルチゾンなどの外用ステロイド薬や局所麻酔薬、血管作動薬などの外用薬は、症候性の痔の治療用に検討できるが、その有効性を裏付けるデータはほとんどないとされている。また、外用ステロイド薬は、長期間使用すると皮膚が薄くなる可能性があるため、一度に2週間以上使用するべきではないとしている。さらに、症状が持続する痔には、輪ゴムで痔核を縛る「ゴム輪結紮療法」や、熱や光を用いて組織を縮小させる凝固療法が必要になることもある。このほか、温水に座って患部を温める「座浴」も症状緩和法としてガイドラインに記載されているが、その有効性を支持するエビデンスは限定的である。さらに、クローン病や潰瘍性大腸炎の活動期では、炎症が完全寛解するまで痔治療を延期すべきこと、妊娠中の痔は保存的治療が基本であり、侵襲的治療は原則として産後に検討するべきこと、新規患者では可能な限り肛門鏡検査を実施し、痔と類似症状を示す他疾患を除外した上で正確な診断を行う重要性も強調されている。(HealthDay News 2026年4月30日) https://www.healthday.com/health-news/digestive-system/new-medical-guidelines-urge-more-fiber-less-bathroom-scrolling-on-your-phone Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: rh2010/Adobe Stock