抗菌薬の使用はセリアック病(CD)の発症と関連付けられてきたが、新たな研究で、この因果関係を支持するエビデンスは認められないことが示された。CD患者では、CDではないきょうだいや一般集団と比較して抗菌薬使用のオッズが高かったものの、腸粘膜が正常な人では、そのオッズはさらに高かったという。ヨーテボリ大学(スウェーデン)のMaria Ulnes氏らによるこの研究は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に4月27日掲載された。Ulnes氏は、「CDと抗菌薬使用との間に因果関係は認められなかった。抗菌薬の適正使用が重要であることに変わりはないが、CD発症を恐れて抗菌薬の使用を避ける理由はない」と述べている。CDは、小麦・大麦・ライ麦に含まれるタンパク質のグルテンに対する自己免疫反応によって腹痛や下痢などの症状が引き起こされる自己免疫疾患である。小腸粘膜に慢性的な炎症が生じ、栄養吸収不良を来すことを特徴とする。今回の研究では、生検によりCDが確認された患者2万7,789人、非CDの一般集団13万3,451人、CD患者のきょうだい3万3,112人を対象に、抗菌薬使用とCDとの関連を検討した。さらに、二次解析として、生検で組織学的に正常な小腸粘膜と判定された22万5,548人と、その対照となる一般集団108万9,796人との比較も行った。その結果、抗菌薬の使用歴を有する割合は、CD群で69%、一般集団で63%であり、CD群では抗菌薬使用のオッズが高いことが示された(調整オッズ比〔aOR〕1.24、95%信頼区間〔CI〕1.21~1.28)。この関連は、抗菌薬の使用回数が多いほど強くなり、未使用と比べて1~2回の使用でaORは1.21(95%信頼区間1.17~1.25)、3回以上で1.35(同1.30~1.41)であった。さらに、きょうだい同士の比較でも、この関連が認められた(aOR 1.29、95%信頼区間1.24~1.35)。しかし二次解析では、腸粘膜が組織学的に正常な人でも抗菌薬使用との強い関連が見られ、その関連はCD患者よりも強かった(同1.50、1.48~1.51)。このことから、抗菌薬使用がCDの原因ではない可能性が示唆された。Ulnes氏は、「CDは抗菌薬使用の結果だと考えられがちだが、その関連は、実際にはもっと複雑だ。感染症への感受性や食習慣などが腸内細菌叢に影響を与え、それがCDの発症に関与している可能性が考えられる。この場合、抗菌薬の適切な使用自体がリスクになるとは考えられないだろう」と述べている。(HealthDay News 2026年5月1日) https://www.healthday.com/health-news/digestive-system/antibiotics-not-linked-to-celiac-disease-risk-study-argues Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock