減量において、ゆっくり着実に体重を減らすことは本当に成功の秘訣なのだろうか。それとも、急速な減量の方が長期的により良い結果につながるのだろうか。新たなランダム化比較試験において、「急速な減量はリバウンドしやすい」という通念に疑問を投げかける結果が示された。医療的に管理された環境下で行われる急速減量(rapid weight loss;RWL)プログラムでは、緩徐な減量(gradual weight loss;GWL)と比較して、1年後においてもより大きな体重減少が維持され、BMIおよびウエスト・身長比(WHtR)の目標値を達成する割合も高いことが明らかになった。ヴェストフォル病院トラスト(ノルウェー)のLine Kristin Johnson氏らによるこの研究結果は、欧州肥満学会(ECO 2026、5月12~15日、トルコ・イスタンブール)で発表された。この52週間のランダム化臨床試験では、BMIが30以上の肥満の成人284人(平均年齢48.1歳、女性257人)を対象に、食事をベースにした16週間のRWLプログラムを実施する群(142人)と同期間のGWLプログラムを実施する群(142人)のいずれかに割り付けた。RWLプログラムでの1日の摂取カロリーは、最初の1~8週目は1,000kcal未満、9〜12週目は1,300kcal未満、13~16週目は1,500kcal未満に設定されていた。一方、GWLプログラムでは、想定される1日の消費カロリーより800〜1,000kcal少ない食事を摂取する設定となっていた。食事介入の後は、両群とも36週間に及ぶ同じリバウンド防止プログラムを受けた。主要評価項目は、1年後にBMI≦27、WHtR≦0.53を達成している割合とした。その結果、1年後の体重減少率は、RWLプログラム群で−14.4%、GWLプログラム群で−10.5%であり、両群間の差は有意であった(差−3.9%、95%信頼区間−5.7〜−2.2)。また、16週時点でBMI≦27を達成した割合は、RWLプログラム群で13.8%、GWLプログラム群で0.8%、1年後でも28.3%と9.7%であり、いずれの時点においてもRWLプログラム群の方が有意に高かった。同様に、WHtR≦0.53の達成割合についてもRWLプログラム群で高く、16週時点で24.2%対8.9%、1年後で33.0%対18.4%であった。Johnson氏は、「本結果は、緩徐で着実な減量こそが肥満関連合併症を減らすために必要であるとする従来の考え方に明確に疑問を呈するものだ」と述べている。同氏はまた、肥満治療や体重維持のための方法が喫緊で必要とされていることから、この研究結果は特に重要だと指摘し、「多くの肥満患者は内科的または外科的治療にアクセスできない、あるいはその費用を負担できない。本結果は、商業的に利用できる効果的な減量プログラムが公的医療システムの負担軽減に寄与する可能性を示すものだ」とニュースリリースで述べている。なお、学会で発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年5月18日) https://www.healthday.com/health-news/weight-loss/rapid-weight-loss-beats-slow-and-steady-in-new-clinical-trial-2 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock