前兆を伴う片頭痛を有する中高年では、片頭痛のない中高年と比べて虚血性脳卒中(脳梗塞)リスクが高い可能性があるとする研究結果が報告された。前兆を伴う片頭痛を有する人では、片頭痛のない人に比べて脳梗塞リスクが73%高かった一方、前兆を伴わない片頭痛を有する人では有意なリスク上昇は認められなかったという。米バーモント大学神経学分野のAdam Sprouse-Blum氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に5月20日掲載された。研究グループによれば、片頭痛の前兆とは、片頭痛発作に先立って現れる視覚的または感覚的な異常を指す。具体的には、光の点滅、視野欠損、ジグザグ模様、きらめく点などが現れるという。Sprouse-Blum氏は、「これまでの研究で、前兆を伴う片頭痛は、若年層における脳梗塞リスクの増加と関連することが示されていたが、45歳以上における脳梗塞リスクとの関連については十分に分かっていなかった」と説明している。今回の研究では、米国の大規模コホート研究参加者のうち、45歳以上の1万1,381人(平均年齢72.1歳、女性55.2%)を対象に、片頭痛と脳梗塞リスクとの関連が前兆の有無によって異なるかを検討した。参加者のうち1,130人(9.9%)が片頭痛を有しており、その内訳は、前兆を伴う片頭痛491人、前兆を伴わない片頭痛639人だった。平均6.4年間の追跡期間中に、片頭痛群では44人(3.9%;前兆を伴う片頭痛群23人、前兆を伴わない片頭痛群21人)、片頭痛のない群(1万251人)では351人(3.4%)が脳梗塞を発症した。解析の結果、片頭痛群では片頭痛のない群に比べて脳梗塞リスクが35%高かったものの、統計学的有意差は認められなかった(ハザード比1.35、95%信頼区間0.98~1.87)。さらに、片頭痛群を前兆の有無で分けて解析すると、前兆を伴う群では片頭痛のない群と比べて脳梗塞リスクが73%有意に高かった(同1.73、1.12~2.65)。一方、前兆を伴わない群では、脳梗塞リスクに有意な増加は認められなかった(同1.10、0.70~1.72)。サブグループ解析からは、72歳未満の男性では、前兆の有無を問わず片頭痛を有する人で脳梗塞リスクが最も高く、片頭痛のない人に比べて約3.7倍だったことも示された(同3.67、1.96~6.88)。Sprouse-Blum氏は、「72歳未満の中高年男性で脳梗塞リスクが著しく高かったという結果は予想外だった。若年層を対象としたこれまでの研究では、片頭痛に関連する脳梗塞リスクは女性で高いことが示されていたからだ」と述べている。その上で同氏は、「今回の結果をより深く理解するためには、今後さらなる研究が必要である。もし結果が確認されれば、この年齢層に対して脳梗塞予防に関する重点的な指導が必要になる可能性がある」と語っている。(HealthDay News 2026年5月21日) https://www.healthday.com/health-news/stroke/migraine-with-aura-linked-to-middle-age-stroke-risk Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://www.neurology.org/doi/10.1212/WN9.0000000000000107