米国の医療は外科医不足に直面していることを示した研究が報告された。この研究によると、2013年から2023年にかけて追跡した結果、外科医の約10%が臨床現場から離脱していたことが分かったという。米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの外科腫瘍医であるTimothy Pawlik氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of the American College of Surgeons」に5月20日掲載された。Pawlik氏は、「外科医は、重症度が高く、慎重な対応が求められる医療の大部分を担っている。こうした医療は、高齢化が進む国においては特に重要である。今回の結果は、外科医の臨床現場からの離脱が現実の問題であることを示している。また、特定の専門分野に重点を置き、離脱リスクが高いサブスペシャリティ(基本領域の専門医取得後に取得する専門分野)や外科分野から離脱する可能性が高い中堅層への対応に注力するなど、よりきめ細かな違いに配慮した個別化された対策が必要であることを示唆している」と述べている。本研究では、2013年から2023年にかけて19の専門分野の外科医22万4,629人を追跡し、外科医の臨床現場からの離脱(3年間連続で評価・管理サービスの請求件数が50件未満だった場合、その最初の年を離脱年とする)の全国的な傾向を調査した。また、各外科サブスペシャリティにおいて臨床現場からの離脱に関連する因子についても検討した。その結果、米国における年間の外科医数は、約15万4,000人から15万7,000人の間で推移していた。1万5,753人が中央値8.0年の間に臨床現場から離脱しており、累積離脱率は9.7%と推定された。年間離脱率は、2013~2018年では1.5~1.7%であったが、2019年に2.5%(2,977人)でピークに達し、その後、2020年に1.3%(1,462人)に低下した。臨床現場からの離脱と有意に関連していた因子は、経験年数、勤務環境(地域〔中西部、西部、南部など〕、都市・地方)、および専門分野であり、性別とは関連が認められなかった。経験年数では、5~9年の外科医と比較して、10~14年の外科医は離脱リスクが有意に高く(ハザード比2.58、95%信頼区間2.48~2.68)、一方で15~19年および5年未満の外科医ではリスクが低かった。また、サブスペシャリティ間でも離脱率に大きな差が認められ、特に口腔顎顔面外科(同2.64、2.43~2.86)、産婦人科(同2.23、2.16~2.30)での離脱リスクは高かった。一方、整形外科、耳鼻咽喉科、足・足関節外科、泌尿器科などでは離脱リスクは低かった。地域差については、北東部を基準とした場合、南部と西部では離脱リスクがやや低く、中西部では有意差は認められなかった。都市部と地方部との間では離脱リスクに有意な差は認められなかった。Pawlik氏は、「離脱リスクが高い層を特定することで、重点的な定着支援策を講じ、こうした格差を是正できる」と述べている。(HealthDay News 2026年5月22日) https://www.healthday.com/health-news/general-health/1-in-10-us-surgeons-quit-practice-study-warns-of-shortage Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://journals.lww.com/journalacs/abstract/9900/national_analysis_of_trends_and_factors_associated.1680.aspx