米国がん協会(ACS)はこのほど、医療機関で受ける血液検査を大腸がん検診に使用できるとする大腸がん検診の改訂ガイドラインを公表した。同ガイドラインではまた、便中の血液とがんに関連するDNAマーカーの両方を検出できる自宅検査キット「Cologuard」の使用も推奨されている。ガイドラインの全文は、「CA: A Cancer Journal for Clinicians」に5月27日掲載された。ガイドラインをまとめた研究グループによると、今回の改訂は、専門家らが大腸がん検診のさらなる普及と罹患率の低下を推し進めようとする中で行われた。ガイドラインの上席著者であるACSがん早期検出センターのRobert Smith氏はニュースリリースで、「大腸がんは治療可能なだけでなく予防可能な疾患であるという点も、これまで以上に重視する必要がある。このガイドラインでより多くの検診手段を提示することで、大腸がん検診の対象となる成人が、命を救う可能性のある検査を受けやすくなる。その結果、検診受診率の格差解消につながるとともに、より多くのがんを治療可能な早期段階で発見できるようになるだろう」と述べている。大腸がんは予防可能な数少ないがんの一つであり、医師が前がん病変のポリープを検出して切除すれば予防できると、研究グループは説明している。ACSによると、米国では、大腸がんは早期に発見できれば5年生存率は90%を超える。しかし、大腸がん検診の対象となる米国人の3人に1人が検査を受けておらず、その数は2000万人を超えていると研究グループは指摘する。さらに、大腸がんの全体的な罹患率と死亡率は、年々着実に減少しているものの、50歳未満では近年、増加傾向にあるという。実際、大腸がんは、50歳未満の成人におけるがんによる死因の第1位である。大腸がん検診のゴールドスタンダードが現在も大腸内視鏡検査であることに変わりはない。大腸内視鏡検査は、鎮静薬を投与した状態で細く柔軟なチューブを大腸に挿入して行う。ポリープが見つかった場合には、その場で切除することも可能だ。しかし、強力な下剤を使って大腸を洗浄する検査前処置を不快に感じる人は多い。また、鎮静薬の使用に不安を抱く人もいる。そのためACSは、Cologuardのような自宅検査キットを含む便検査、さらには血液検査も含めることで、検診方法の選択肢を広げた。血液検査(商品名Shield)では、腫瘍から血液中に放出されたがん細胞由来のDNA断片を検出することができる。専門家らによると、Shieldによる前がん病変のポリープや早期がんの検出能はそれほど高くないが、検診を全く受けないよりは受ける方が良いという。ガイドラインでは、CologuardのようなDNAベースの便検査は3年ごとの受診が推奨されている。一方、CTを用いたバーチャル大腸内視鏡検査ともいえる大腸CT検査(CTコロノグラフィ)や、大腸内視鏡検査と同様に内視鏡を用いるが、結腸の下部3分の1のみを検査する軟性S状結腸鏡検査は5年ごと、大腸内視鏡検査は10年ごとの受診が推奨されている。また、検診は45歳から受け始めること、大腸がんリスクが高い場合はそれよりも早い段階から受けることが推奨されている。さらに、85歳以降は定期検診を終了してもよいとされている。ACSチーフ・サイエンティフィック・オフィサーのWilliam Dahut氏は、「どの検査を選択するにせよ、最も重要なのは検診を受けることだ。このことは、医療サービスが行き届いていない地域や農村部の住民、マイノリティの人にも当てはまる。今回の改訂は、大腸がん検診の選択肢を広げ、あらゆる人ががん予防のための医療サービスを受けられるようにすることを目的に行われた」とニュースリリースの中で説明している。なお、研究グループは、非侵襲的な検査で結果に異常が見られた人は、大腸内視鏡検査を追加で受けることが極めて重要だと強調している。(HealthDay News 2026年5月28日) https://www.healthday.com/health-news/cancer/new-colon-cancer-screening-guidelines-add-blood-and-at-home-tests Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://acsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.3322/caac.70083