若い男性では、心肺フィットネスレベルが高いほど心房細動(AF)リスクが上昇するとされてきたが、そのリスクは従来考えられていたほど大きくない可能性があるようだ。112万人超のスウェーデン人男性を対象とした新たな研究で、心肺フィットネスレベルが高い男性ではAFリスクの上昇が認められたものの、AF以外の心血管疾患(CVD)リスクの低下はAFリスクの上昇を上回ることが示された。研究グループは、「今回の研究は、高い心肺フィットネスレベルやレースへの参加が心血管の健康に大きなリスクをもたらすとする見方について、より慎重な解釈が必要であることを示している」と述べている。ウプサラ大学(スウェーデン)のMarcel Ballin氏らによるこの研究の詳細は、「Circulation」に5月21日掲載された。この研究でBallin氏らは、1972~1995年に徴兵検査を受け、心肺フィットネス検査を完了した112万4,049人(平均年齢18.3歳)のスウェーデン人男性のデータを解析した。評価項目はAFおよびAF以外のCVD(脳卒中、虚血性心疾患など)とし、それぞれについて、診断または死亡から成る複合エンドポイントを2023年12月31日まで追跡した。追跡期間中に4万5,179人(4.0%)がAF、9万6,404人(8.6%)がAF以外のCVDを発症していた。発症時の年齢中央値は、AFで54.8歳、AF以外のCVDで54.4歳だった。心肺フィットネスレベルをその高低に応じて10段階のグループに分けて解析した結果、成人期初期では、レベルが最も低い群と比較して最も高い群でAFリスクに軽度の上昇が認められた一方で、AF以外のCVDリスクには低下が認められた。この利益とリスクの関係は、40歳まではAFリスクの上昇による影響がCVDリスクの低下による利益を上回っていたが、45歳以降ではCVDリスクの低下による利益がAFリスクの上昇による影響を上回るようになった。さらに研究グループは、対象者の約半数を占めていた兄弟ペアを対象に解析を行った。兄弟は、遺伝的背景や幼少期の環境、社会経済的要因などを共有しているため、これらの交絡因子の影響をより正確に評価できると考えられるからだ。その結果、35歳時点ですでにAFリスクの上昇を上回るCVDリスクの低下が認められた。また、主解析で見られた、年齢依存的に利益とリスクの関係が逆転する現象は認められなかった。こうした結果から研究グループは、「これまで報告されてきた心肺フィットネスレベルとAFとの関連は、兄弟間で共有される遺伝的要因や環境要因によって、少なくとも一部は説明される可能性がある」と結論付けている。また、生涯にわたって見れば、高い心肺フィットネスレベルが健康にもたらす利益は、AFリスクの上昇による不利益を上回ると言えると述べている。(HealthDay News 2026年5月27日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/high-fitness-doesnt-raise-a-fib-risk-in-young-men-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock