閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の女性では、OSAの重症度の指標である無呼吸低呼吸指数(AHI)は男性よりも低いものの、頭痛、悪夢、夜間頻尿などの症状負担は男性よりも大きい傾向があることが、新たな研究で示された。米ピッツバーグ大学の睡眠医学研究者であるStuti Vaidya氏らによるこの研究は、米国睡眠関連学会連合(APSS)の年次総会(SLEEP 2026、7月14〜17日、米ボルチモア)で発表予定であり、要旨は「Sleep」5月増刊号1に掲載された。APSSは、米国睡眠医学会(AASM)および睡眠研究学会(Sleep Research Society)が共同で設立した組織である。この研究では、中等度から重度のOSAと診断され、CPAP(持続陽圧呼吸療法)を開始した407人を対象に、症状負担の男女差を比較した。対象者は女性38%、男性62%で、平均年齢は女性50±14歳、男性48±15歳であった。視覚アナログ尺度(VAS)でいびき、睡眠中の喘ぎ、鼻閉(鼻づまり)、夜間頻尿、頭痛、悪夢、胃酸逆流を評価し、また、患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS)で睡眠障害、睡眠関連の機能障害、認知機能、抑うつ、不安、怒り、疲労感、社会的役割に対する満足度を評価した。OSAの重症度評価に用いられるAHIは、女性で平均25、男性で平均35であり、女性の方が統計学的に有意に低かった(P<0.001)。それにもかかわらず、女性では、夜間頻尿(5.6点対4.9点)、頭痛(4.3点対3.0点)、悪夢(2.6点対1.9点)のVASスコアが男性よりも有意に高かった。また、PROMISによる評価では、睡眠障害(58.7点対56.6点)、睡眠関連の機能障害(62.0点対59.3点)、不安(54.9点対52.4点)、怒り(54.6点対51.4点)、疲労感(61.3点対56.5点)、認知機能(40.8点対37.2点)、社会的役割に対する満足度(40.8点対44.0点)のスコアにも有意差が認められた。一方、いびき、睡眠中の喘ぎ、鼻閉、胃酸逆流、抑うつについては、有意な男女差は認められなかった。Vaidya氏は、広範囲にわたる非典型的な症状において、女性は一貫してより大きな症状負担を報告していたことを指摘した上で、「今回の結果は、臨床現場で使われているOSAの診断・治療アルゴリズムが依然として典型的な症状に焦点を当てており、女性が経験し得る他の多様な症状を十分に考慮していない可能性を示唆している」とニュースリリースで述べている。Vaidya氏はまた、「今回の結果は、女性が男性と同程度の典型的なOSA症状を示すようになるまでOSAの診断や治療が行われない可能性を示しており、それが診断の遅れにつながっている可能性がある」と説明している。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年6月10日) https://www.healthday.com/health-news/women-health/women-hit-harder-by-sleep-apnea-than-men-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.写真:OSA治療のためのCPAP装置を装着した女性Photo Credit: Adobe Stock