猫を飼うと子どもの喘息が悪化するのではないかとの懸念がある中、その関連は認められないとする研究結果が報告された。スウェーデンの3万人以上の子どもを対象にした新たな研究で、猫と同居していても、子どもや10代の若者の喘息の重症度は悪化しないことが示された。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のResthie Putri氏らによるこの研究結果は、「Frontiers in Allergy」に6月10日掲載された。Putri氏はニュースリリースの中で、「猫と暮らす子どもと猫と暮らしていない子どもとの間で、喘息の重症度、増悪、喘息コントロール、肺機能に違いは見られなかった。飼っている猫の数や性別、年齢による喘息アウトカムの違いも確認されなかった」と述べている。動物のフケが小児喘息の誘因となったとする親の報告がある一方で、猫の飼育と小児喘息との関連を検討した研究結果は一貫しておらず、明確な結論は得られていない。今回の研究では、スウェーデンの全国登録データを用いて、2006年から2020年の間に出生し、喘息または気道アレルギーと診断された4~17歳の子ども3万277人(年齢中央値9.5歳、女子38.6%)を対象に、猫の飼育と喘息アウトカムの関連を検討した。喘息アウトカムは2023~2024年に評価し、喘息増悪および中等度~重度喘息を主要評価項目とした。さらに、データが得られた対象者(1,428人)については、1秒量(FEV₁)および喘息コントロールテスト(ACT)も評価した。対象者のうち9.4%(2,862人)が自宅で猫を飼育していた(猫曝露群)。喘息発症後1年以内の処方薬に基づき重症度を分類したところ、中等度~重度の喘息を有する割合は、猫曝露群19.5%、非曝露群20.6%で、群間差は認められなかった。また、追跡期間中に喘息増悪が生じた割合は、猫曝露群3.3%、非曝露群3.5%(調整オッズ比1.12、95%信頼区間0.90~1.39)、また、中等度~重度の喘息が認められた割合は同順で9.6%、10.1%(調整オッズ比0.96、95%信頼区間0.84~1.10)であり、いずれのアウトカムについても有意差は認められなかった。さらに、FEV₁ zスコアとACTについても群間差は認められなかった。Putri氏は、「これらの結果を説明し得る要因の一つとして、猫アレルゲンが家庭外の環境にも広く分布しており、日常的な曝露は珍しくないことが考えられる。自宅で猫を飼育していない子どもでも、学校や公共交通機関などの共有環境で猫アレルゲンに曝露している可能性があり、これが群間差が明確にならなかった一因なのかもしれない」と説明している。(HealthDay News 2026年6月11日) https://www.healthday.com/health-news/asthma/living-with-cats-not-linked-to-worse-asthma-in-children Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock