11件の長期追跡研究に参加した150万人以上の成人の食事データを解析した研究で、加糖飲料の日常的な摂取は肝細胞がん(HCC)および肝内胆管がん(ICC)のリスク増加と関連することが示された。米国立がん研究所(NCI)のCody Watling氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に6月10日掲載された。肝がんは世界で3番目に多いがん死亡の原因である。肝がんの主な組織型で最も多いのはHCCで、肝がん全体の75〜85%を占めている。研究の背景情報によると、HCCの主なリスク因子には、B型肝炎ウイルス(HBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)の慢性感染、過度の飲酒、喫煙、アフラトキシン類汚染食品の摂取、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)、糖尿病、肥満などの代謝性疾患が含まれるが、HCCの35%は既知のリスク因子では説明できないという。肝臓は主要な代謝器官であり、解毒において重要な役割を果たしていることから、食事などの外因性因子による影響を受けやすいと考えられる。こうした点を踏まえて今回の研究では、がん発症を長期追跡した11件の前向きコホート研究のデータを用いて、人工甘味料入り飲料(ASB)および加糖飲料(SSB)の摂取と、肝がん全体、HCCおよびICCの発症リスクとの関連を検討した。ASBにはダイエットソーダやダイエットコーラ、その他の低カロリー甘味飲料が含まれた。一方、SSBにはコーラ、炭酸飲料、カフェインレス炭酸飲料、ジュース類などが含まれた。11件のコホート研究のうち、10件は米国のコホート、残る1件はヨーロッパのコホートを対象としたもので、いずれの研究参加者もベースライン時点でがんの既往がなかった。研究参加者は1980~2009年に各コホート研究へ登録され、その後、2000~2019年まで追跡された。追跡期間中央値は11.4~31.4年で、参加者の総計は151万8,411人(平均年齢57.8歳、女性58.2%)に上った。追跡期間中央値17.8年の間に、2,811人(HCC:1,699人、ICC:444人)が肝がんを発症した。解析の結果、ASBの摂取量が1日1杯増加しても肝がん全体、HCCおよびICCの有意なリスク増加は認められなかった。また、SSB摂取量が1日1杯増加しても肝がん全体のリスクとの関連は認められなかったが、HCC(ハザード比1.10、95%信頼区間1.03~1.18)およびICC(同1.15、1.00~1.32)のリスク増加と関連していた。糖尿病の有無による有意な効果修飾は認められなかった。ただし研究グループは、この結果はSSBが肝がんの原因であることを証明するものではないと強調している。それでもなお、SSBの摂取が長期的な健康リスクと関連するというこれまでの証拠を補強するものだとの見方を示している。(HealthDay News 2026年6月10日) https://www.healthday.com/health-news/liver-health/sugary-beverages-may-raise-your-risk-of-liver-cancer Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock