膝動脈塞栓術(GAE)と呼ばれる低侵襲性の治療によって膝関節周囲の異常血管への血流を減少させ、膝の痛みを緩和できる可能性が新たな研究で示された。約200人の変形性膝関節症(OA)患者を対象にGAEを実施したところ、膝の痛みの軽減と機能の改善が認められたという。シャリテ大学病院(ドイツ)インターベンショナルラジオロジー部門のFlorian Fleckenstein氏らによるこの研究の詳細は、「Radiology」に6月16日掲載された。Fleckenstein氏はニュースリリースの中で、「今回の研究の対象となった集団において、痛みの大幅な軽減が認められた。また、スポーツや余暇活動、日常生活動作のいずれの機能についても著しい改善が認められた。何よりも重要なのは、患者の生活の質(QOL)が大きく向上したことだ」と話している。OAでは、関節周囲に異常な血管が増殖して血流が増加し、炎症や痛みを助長する。GAEはこのような異常な血管にゼラチン製の球状塞栓粒子(マイクロスフィア塞栓粒子)を注入する治療法である。研究グループによると、注入するマイクロスフィアは、異常血流を遮断するのに必要な時間だけ機能し、その後は生体内で分解される。血流パターンが是正されると、膝の神経から送られる痛みのシグナルも軽減される。Fleckenstein氏は、「炎症と痛みの両方を軽減する再吸収性のマイクロスフィアを用いたGAEは、OAの進行を遅らせ、疾患経過を変えることのできる初の治療法となる可能性がある」と述べている。今回の研究には、理学療法、抗炎症薬、関節内注射のいずれの治療を受けても十分な効果が得られなかったOA患者194人(年齢中央値69歳、女性114人)が登録された。対象者のBMI中央値は28をわずかに上回る過体重に相当する値だった。参加者が受けたGAEによる治療回数は合計239回で、79%(194人中154人)が12カ月時点の追跡評価を受けた。医師らが参加者を追跡したところ、NRS(Numerical Rating Scale)で評価した痛みのスコア(0~10点)の中央値は、試験開始時の7点から12カ月時点には3点にまで低下した。また、KOOS(Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score)の各下位尺度では、55~80%の参加者が臨床的に意味のある最小変化量(MCID)を上回る改善を達成し、膝の症状や機能、QOLの改善が認められた。Fleckenstein氏は、「この結果から、この治療法の安全性と有効性について確かな自信を持って述べることができるようになった。治療に適した患者を選べば、侵襲性の低い治療を1回受けるだけで長期的な症状の緩和が得られる可能性がある。これは、関節内注射と人工関節置換術の間を埋める、意義のある新たな選択肢となるだろう」と述べている。(HealthDay News 2026年6月17日) https://www.healthday.com/health-news/pain-management/minimally-invasive-procedure-eases-arthritis-knee-pain-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock