米国人の少なくとも12%が、予約、検査結果、継続治療などについて医療従事者とやり取りするために患者ポータルを利用しており、患者が患者ポータルを通じて送信するメッセージ数は2020年から2025年の間に2倍以上に増加したことが、新たな研究で明らかになった。米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部外科学分野のMichal Mankowski氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に6月22日掲載された。Mankowski氏はニュースリリースで、「今回の研究は、米国全土で患者ポータルや健康アプリ、メッセージ機能の利用が日常的な患者ケアの一部となっており、単に時折利用される補助的な連絡手段ではなくなったことを示している」と話している。一方、論文の共著者であるNYUグロスマン医学部外科学分野のDorry Segev氏は、「こうした医師への直接的なアクセスは患者にとって大きな利点となる一方で、医師にとっては、燃え尽き症候群(バーンアウト)を避けるために、このような変化に適応する必要があることを意味する。現代の医療提供において、医療従事者は、従来の臨床業務とデジタル関連業務を両立させることがますます必要になっている」と述べている。その上で同氏は、「医療従事者には、医療現場でメッセージングツールを使いこなすための訓練が必要になる。また、複雑な内容を分かりやすく整理するチャットボットなどのAI支援プログラムの活用方法や、オンラインでの請求業務、オンライン相談に必要な医師の時間を最も効率よく活用する方法についても習得する必要がある」としている。今回の研究では、電子カルテシステム「Epic」を導入している全米2,067カ所の病院と4万7,100カ所の診療所における2020年から2025年の電子健康記録データを分析した。この期間中に、アクティブな患者数は2020年第1四半期の9430万人から2025年第4四半期には1億4050万人に増えていた。外来受診件数は17億7000万件、患者が送信したメッセージ数は13億4000万件、医療従事者・スタッフが送信したメッセージ数は32億5000万件、電話対応件数は15億9000万件、遠隔診療件数は1億4600万件であった。同期間中、患者が患者ポータルを通じて送信したメッセージ数は、患者1人当たり年間0.99件から2.50件へと153%増加していた。一方、電話対応件数は6%減少し(患者1人当たり2.33件→2.20件)、外来受診件数は17%増加していた(同2.37件→2.77件)。医療従事者・スタッフが送信したメッセージ数も患者1人当たり4.59件から5.70件へと24%増加していた。さらに、メッセージ送信患者に限ると、患者1人当たりの年間メッセージ数は2.2件から5.4件へと146%増加していた。本論文の付随論評を執筆した米イェール大学医学部教授のJoseph Ross氏らは、「これらの結果は、非同期メッセージシステムが対面診療や電話での対応に取って代わったのではなく、それらと並行して拡大したことを示している。その結果、コミュニケーション総量と医師の業務負担は大幅に増加した」と指摘する。その上で、「医師の電子受信箱は、もはや周辺的な存在ではなく、現代医療における中心的な役割を担っている」と結論付け、医療システムはこうした電子的コミュニケーションの増加を認識し、医師が対応するための時間を確保すべきだと主張している。(HealthDay News 2026年6月23日) https://www.healthday.com/health-news/health-technology/patient-portal-messages-double-doctors-face-rising-workload Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock