多くの米国人が、加齢に伴う認知機能の低下を防ぐことを期待して魚油のサプリメントを摂取している。魚油に含まれているオメガ3系不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、中性脂肪の低下など健康へのさまざまな効果が報告されている。しかし、「EBioMedicine」に6月18日付で発表された最新の研究で、こうしたサプリメントには期待されるような認知機能向上効果はない可能性が示唆された。論文の筆頭著者である米南カリフォルニア大学ケック医学部神経学分野のHussein Naji Yassine氏は、「誰もがアルツハイマー病予防の“特効薬”を望んでいる。しかし、今回の研究では、魚油のサプリメントに脳の健康を守る効果は確認されなかった。オメガ3脂肪酸は、認知機能に必要な脳細胞同士の結合を形成する上で重要な役割を果たすものの、今回の結果は、魚油のサプリメントがアルツハイマー病予防策として有効であることを支持するものではなかった」と説明している。この臨床試験では、DHAの摂取量が1日200mg未満で、認知症ではないが認知症リスク因子を1つ以上有する55~80歳の参加者365人(平均年齢66.4歳、女性58%)を対象に、高用量のDHA摂取(2g/日)により中枢神経系にDHAが十分に取り込まれるかを検証した。中枢神経系へのDHAの取り込みを反映する指標は脳脊髄液中のDHA/アラキドン酸(AA)比とし、これを主要評価項目とした。参加者は、高用量DHAを毎日摂取する群とプラセボを摂取する群にランダムに割り付けられた。その結果、6カ月後の脳脊髄液中のDHA/AA比は、DHA群で0.17上昇したのに対し、プラセボ群では0.02低下していた。群間差は0.19であり、統計学的に有意であった(95%信頼区間0.16~0.21、P<0.0001)。しかし、24カ月時点の脳容積や認知機能評価については、両群間で有意な差は認められなかった。これらの結果から研究グループは、「DHAサプリメント単独では、最も一般的な認知症であるアルツハイマー病を予防できる可能性は低い」と結論付けている。Yassine氏は、「アルツハイマー病のリスク低減に最も有効なのは、生涯を通じて健康的な生活を維持することだ。具体的には、定期的な運動、十分な睡眠、そしてバランスの取れた食事が重要だ」と述べている。(HealthDay News 2026年6月19日) https://www.healthday.com/health-news/neurology/fish-oil-supplements-may-be-a-bust-for-alzheimers-prevention Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock