子どもがおやつの時間に飲むジュースは、将来の心血管の健康に悪影響を及ぼす可能性があるようだ。子どもの頃から果汁100%のジュースや砂糖入り飲料(sugar-sweetened beverage;SSB)を日常的に飲んでいると、成人期に高血圧を発症するリスクが高まる可能性が、新たな研究で示された。トロント大学(カナダ)栄養学・慢性疾患予防分野のカナダ・リサーチ・チェアであるVasanti Malik氏らによるこの研究結果は、「Circulation」に6月22日掲載された。Malik氏はニュースリリースで、「幼少期の食習慣は、その後の健康に長期的な影響を及ぼす可能性がある。高血圧は若年成人だけでなく、小児や思春期の若者でも増加しており、早期発見と予防の重要性が一層高まっている」と述べている。果糖(フルクトース)は、はちみつや果物に含まれている単糖類の一種で、清涼飲料水などに使用されている。小児や思春期の若者における果糖の多量摂取は、肥満や高血圧などの肥満関連の合併症と関連することが報告されている。しかし、SSB、果汁100%ジュース、果物では、含まれる栄養成分や食品としての性質が異なるため、血圧への影響もそれぞれ違う可能性がある。今回の研究でMalik氏らは、米国の長期コホート研究「Growing Up Today Study(GUTS)」の参加者2万5,749人(女性55%)のデータを用いて、果糖の総摂取量、およびSSB、果汁100%ジュース、果物の摂取と高血圧との関連を検討した。参加者のGUTS登録時の平均年齢は12歳で、最長25年間追跡された。追跡期間中に1,625人(6.3%)の参加者が高血圧を発症していた。解析の結果、果糖の総摂取量と高血圧発症の間に有意な関連は認められなかった。果糖の総摂取量が最も少ない群を基準とすると、最も多い群の高血圧発症のハザード比は1.07(95%信頼区間〔CI〕0.92~1.25)であった。種類別に検討すると、SSBを1日2サービング以上摂取している群では週3サービング未満の群と比べて高血圧の発症リスクが52%高いことが示された(ハザード比1.52、95%CI 1.27~1.83)。また、果汁100%ジュースを1日1.5サービング以上摂取している群では、週1サービング未満の群と比べて同リスクが35%高かった(同1.35、1.06~1.71)。一方、果物の摂取では、高血圧発症との有意な関連は認められなかった。さらに、1日1サービングのSSBを1サービングの牛乳、水、または果物に置き換えた場合、高血圧発症リスクはそれぞれ13%、9%、22%低くなることが示された。1日1サービングの果汁100%ジュースを1サービングの果物に置き換えた場合でも、高血圧発症リスクは19%低くなった。Malik氏は、「炭酸飲料やスポーツドリンクなどの糖分を含む飲料は、一部では健康的であるかのように宣伝されているが、摂取は控えるべきである。また、フルーツジュースは適量であれば問題ないかもしれないが、多量摂取すると有害となる可能性がある。飲む際には果汁100%のものを選び、適量摂取にとどめるべきだ。SSBよりも果物を積極的に摂取する方が望ましい」と話している。研究グループは、果物にもフルーツジュースと同じ果糖が含まれているが、果肉や食物繊維が消化を緩やかにするため、ジュースや炭酸飲料を飲んだときのような急激な血糖値の上昇が起こることはないと説明している。研究内容を確認した米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのAmit Khera氏は、「成人で示されているのと同様に、高血圧の発症には果糖の総摂取量よりも、どのような食品から摂取するかが重要であると考えられる。実際に本研究でも、糖分を含む飲料や果汁100%のジュースは高血圧発症のリスク上昇と関連する一方、果物そのものは関連していなかった。これまで、果糖は供給源に関係なく心血管の健康に有害であるという考え方や、果汁100%ジュースは健康に良いという考え方があった。しかしこの研究は、どちらの考え方も正しくないことを示している」とコメントしている。(HealthDay News 2026年6月23日) https://www.healthday.com/health-news/child-health/kids-juice-and-soda-intake-linked-to-higher-blood-pressure-risk-as-young-adults Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Green Miles -- Adobe Stock