1時間ごとに5分間の歩行休憩を挟むことで、気分が改善し疲労感が軽減するとともに、長時間の座位行動による健康への悪影響を和らげられる可能性が、米コロンビア大学医療センターのKeith Diaz氏らによる研究で示された。Diaz氏らは、「短時間の運動休憩は仕事の生産性を低下させるのではないかという懸念は、こうした取り組みの実施・普及を妨げる要因の一つとして指摘されてきた。しかし今回の研究結果は、そのような認識に反するものだった」と述べている。この研究の詳細は、「British Journal of Sports Medicine」に6月23日掲載された。この研究では、米国公共ラジオ放送(NPR)が実施した21日間の運動チャレンジへの参加成人1万1,484人のデータを用いて、現実に近い環境で運動休憩を実施した場合の実装可能性や心理社会的アウトカムに対する効果、さらには最適な実施頻度を検討した。参加者は、30分、60分、120分の中から自分が希望する間隔で5分間の歩行休憩を取った(以下、30分群、60分群、120分群)。実装可能性は、実施のしやすさ(実行可能性)、受け入れやすさ(受容性)、適切性の3つの観点から評価した。また、介入前後で、疲労感、ポジティブ感情、ネガティブ感情の3つの心理社会的アウトカムについても評価した。その結果、歩行休憩を取る頻度(休憩間隔の長さ)にかかわらず、全ての群で実装可能性の3つの評価項目はいずれも評価基準を満たした。実行可能性は、休憩間隔が長いほど高く、120分群で最も高かった。受容性は30分群で60分群および120分群より低かったが、60分群と120分群の間に有意差は認められなかった。適切性は各群でほぼ同程度であった。一方、心理社会的アウトカムについては、3群全てで疲労感とネガティブ感情が有意に低下し、ポジティブ感情が有意に増加した。30分群と60分群では、疲労感およびポジティブ感情の変化量が最小重要差(MID)の閾値を超えたが、ネガティブ感情でMIDの閾値を超えたのは30分群のみだった。120分群は実装可能性の評価は最も高かったものの、心理社会的アウトカムに対する効果は最も低かった。一方、30分群は、心理社会的アウトカムの改善効果が最も高かったが、実行可能性と遵守率は3群の中で最も低かった。これらの結果を踏まえて研究グループは、「60分群は最も良好なバランスを示し、受容性と適切性の評価は120分群と同等であり、3つの心理社会的アウトカムのうち2つでMIDの閾値を上回った。さらに、60分という休憩間隔は最も多く選択され、参加者のほぼ半数が選択した」と記している。仕事を中断して体を動かすと生産性が低下するのではないかという懸念もあるが、研究グループは、「今回の結果は、その認識を否定するものである」と述べている。その上で、「本研究結果は、運動休憩が実装可能で効果的であり、公衆衛生戦略として活用できる可能性を裏付けるものである」と結論付けている。(HealthDay News 2026年6月24日) https://www.healthday.com/health-news/mental-health/even-5-minute-movement-breaks-can-boost-your-mood-and-fight-fatigue Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock