重症外傷患者に高用量のビタミンCを静脈内(IV)投与することで、死亡リスクや敗血症リスクが低下する可能性がある――新たなエビデンスレビューでこのような結果が示された。さらに、ビタミンCのIV投与によって集中治療室(ICU)在室日数や入院日数が短縮する可能性も示唆されたという。英NHS Academic Department of Military Trauma & OrthopedicsのNandesh Patel氏らによるこの研究結果は、6月30日付で「BMJ Military Health」に掲載された。研究グループは、「今回のレビューは、外傷患者の治療においてビタミンCのIV投与が果たす潜在的な役割を支持する、限定的ではあるが肯定的なエビデンスを示している」と記している。研究グループによると、重症外傷や多発外傷は、死亡につながる主要な原因の一つであり、その背景には、出血性ショックや制御異常を起こした炎症反応などがある。こうした重症状態では、体内のビタミンCが急速に消費される。ビタミンCは、血圧維持に関わる物質の合成の促進、血管内皮機能の維持、抗酸化防御などに関与することから、外傷患者に対するビタミンC投与は有望な治療法の一つとして注目されている。今回のレビューでは、高用量ビタミンCに関する6件の研究を解析し、外傷患者に対するビタミンCのIV投与の有効性を評価した。6件の研究のうち、3件はランダム化比較試験、3件はコホート研究で、対象者は総計5,171人だった。 その結果、6件中4件の研究で、ビタミンC投与群での死亡リスクの低下が報告されており、その低下幅は28~86%であった。また、ビタミンC投与群では、ICU在室日数や入院日数が短縮する傾向が見られ、一部の研究では統計学的に有意な短縮が報告されていた。1件の研究では、28日以内に退院できるオッズはビタミンC投与群で対照群の2.25倍であった(オッズ比2.25)。さらに、敗血症の発症を評価した4件の研究のうち2件では、ビタミンC投与群で発症率が有意な低下を示し、別の1件でも低下傾向が示された。研究グループは、「全体として、今回の結果は、外傷患者の治療において高用量ビタミンCの投与が有益な可能性を示すエビデンスとなるものだ」と述べている。ただし、報告された効果は研究間で異なっており、「治療効果は全ての重症病態に一般化できるものではなく、状況に依存する可能性がある」と指摘している。さらに、これらの研究では概して、他の治療との併用でビタミンCが用いられていたため、ビタミンC単独の効果を確認することは難しい点や、いずれの研究でも、ビタミンC投与の最適なタイミングや用量については検討されていなかった点も限界点として挙げている。これらのことを踏まえた上で研究グループは、「このような方法論上の制約により、ビタミンCの潜在的な有益性を最大限に生かすための最適な治療プロトコルについて、確固たる結論を導くことは困難である。このことは、今回のレビューで確認されたエビデンスの確実性が低い要因にもなっている」と述べている。一方で研究グループは、「死亡率や敗血症、臓器不全、集中治療の必要性をわずかでも低減できる可能性があるなら、現在の臨床現場でのビタミンC投与を検討する根拠となり得る。このことは、臨床への導入に先立ち、外傷患者に特化したさらなる研究を行う明確な理由となるだろう」と付け加えている。(HealthDay News 2026年7月7日) https://www.healthday.com/health-news/first-aid-and-emergencies/iv-vitamin-c-might-boost-recuperation-among-trauma-patients Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock