忙しくてイライラしがちな母親にとってはさらにプレッシャーとなるかもしれないが、赤ちゃんの「あー」や「うー」などの発声(クーイング)や「ばばば」「ダーダー」などの喃語に対する反応が遅いと、子どもが後に精神疾患を発症するリスクが高まる可能性があるようだ。新たな研究で、乳児の発声に対し、母親が1秒以内に応答する確率が高いほど、乳児が7歳までに精神疾患と診断されるオッズは低かったことが示された。英アバディーン大学のPhilip Wilson氏らによるこの研究結果は、「PLOS One」に7月1日掲載された。Wilson氏は、「今回の結果は、乳児からのサインに対する母親の応答が遅いことと、その後の子どもの精神健康上の問題との間に強い関連があることを示唆している」と述べている。この研究では、Avon Longitudinal Study of Parents and Children(ALSPAC)のデータを用いて、158組の母親と1歳児が絵本を見ながらやり取りする様子を撮影した動画を基に、母親が乳児の発声に、また乳児が母親の発声に、一定時間内に応答する確率を評価した。これらの乳児は、7歳時にDevelopment and Well-Being Assessment(DAWBA)を用いた精神疾患の評価を受け、55人が、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、反抗挑発症や素行症などの破壊的行動障害(DBD)、または不安症やうつ病を含む情緒障害と診断されていた。解析の結果、乳児が母親の発声に8秒以内に応答する確率は、精神疾患の診断全体および、ADHDを除く各診断と関連していなかった。ADHDでは、乳児が8秒以内に応答する確率が10%高いことは、ADHD診断オッズの21%上昇と関連していた。一方、母親が乳児の発声に応答する確率は、精神疾患全体、DBD、およびADHDの診断と関連していた。母親が乳児の発声に1秒以内に応答する確率が10%高くなるごとに、乳児が何らかの精神疾患と診断されるオッズは17%低下した。また、ADHDでは21%、DBDでは20%低下した。一方、自閉スペクトラム症や情緒障害との関連は認められなかった。ただし研究者らは、母親の乳児に対する応答が遅いことが後の精神健康上の問題の原因であるかどうかは明らかではないと述べ、今回の結果を確認し、観察された関連が生じる理由を明らかにするためには、さらなる研究が必要だとしている。Wilson氏は、「応答が遅いことが問題を引き起こしているのか、それとも遺伝的リスクなど他の要因が今回の結果を説明しているのかは、現時点では不明だ。今回の研究は、子どもの心理的な脆弱性を評価する上で、幼少期の親子のやり取りを観察することの重要性を強調している」と述べている。(HealthDay News 2026年7月2日) https://www.healthday.com/health-news/child-health/prompt-responses-from-mom-might-lower-a-babys-risk-of-childhood-mental-health-problems Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Prostock-studio -- Adobe Stock