注意欠如・多動症(ADHD)の治療で広く用いられる2種類の中枢神経刺激薬、dexamphetamine(デキサアンフェタミン、デキストロアンフェタミン)とメチルフェニデートは、いずれも同程度に症状を改善するものの、体重に与える影響には違いが見られ、dexamphetamine群ではより体重が減少する傾向が認められたことが、臨床試験で示された。シドニー大学(オーストラリア)小児科・小児保健学分野のAlison Poulton氏らによるこの試験の詳細は、7月7日付で「Journal of Paediatrics and Child Health」に掲載された。ADHDは、注意を持続することや衝動を抑えることなどに困難が生じる神経発達症である。ADHDを有する小児では、学校生活、友人関係の構築、集中力の維持など、日常生活のさまざまな場面で困難が生じる。世界では2021年時点で、20歳未満でのADHD患者数は約4700万人と推定されている。米国では3~17歳の約12%がADHDと診断されている一方、オーストラリアでは約8%とされている。2023年にオーストラリアでADHD治療薬を処方された18歳未満の人の数は、10年前と比べて約2.5倍に増加したという。この研究では、これまで中枢神経刺激薬による治療を受けていなかったADHDの小児100人(平均年齢9.08歳、男児73%)を対象に、dexamphetamineまたはメチルフェニデートのいずれかを投与する群に50人ずつランダムに割り付け、有効性と副作用を比較した。薬の投与開始後は4週間の用量調整期間を設け、その間は毎週、教師が学校でIOWA Conners評価尺度で症状を評価した。その後は、臨床判断に基づいて用量調整や薬の変更を行い、対象者を12カ月間追跡した。その結果、いずれの群も全ての評価時点でADHD症状が有意に改善し、両群間で効果に有意差は認められなかった。12カ月時点で62人が割り付けられた薬の使用を継続しており、患者・保護者による薬の選好にも有意差は認められなかった。さらに、3カ月時点で両群ともに体重減少が認められたが、減少幅はdexamphetamine群の方がメチルフェニデート群より大きかった(1.44 kg対0.31 kg)。12カ月時点では、メチルフェニデート群ではベースラインから1.26 kg増加したのに対し、dexamphetamine群では0.84 kg減少していた。一方、12カ月時点の身長増加量は、メチルフェニデート群で4.9 cm、dexamphetamine群で4.4 cmで、両群間に有意差は認められなかった。Poulton氏は、「大きな違いは、dexamphetamineを服用した小児で、体重減少がより大きかったことだ。これは治療薬を選択する際や成長を経過観察する際に考慮すべき重要な点である」とニュースリリースで述べている。(HealthDay News 2026年7月17日) https://www.healthday.com/a-to-z-health/child-health/one-type-of-adhd-med-may-affect-kids-weight Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock