アトピー性皮膚炎の患者では、しつこいかゆみを和らげる目的で抗ヒスタミン薬を処方されることが少なくない。しかし、新たな研究で、抗ヒスタミン薬の効果は限定的であり、むしろ懸念される副作用を引き起こす可能性があることが示された。マクマスター大学(カナダ)のAlexandro Chu氏らによるこの研究結果は、7月29日付で「The BMJ」に掲載された。アトピー性皮膚炎は、免疫系の過剰反応によって引き起こされる慢性疾患で、皮膚の乾燥、炎症、激しいかゆみを特徴とする。患者の生活の質(QOL)に加え、精神的な健康状態、対人関係にも悪影響を及ぼすことが知られている。経口抗ヒスタミン薬は、アトピー性皮膚炎のかゆみの緩和を目的に広く使用されている薬剤の一つで、英国では患者の5人に1人、米国では患者のほぼ半数が使用していると推定されている。しかし、これほど広く使用されているにもかかわらず、アトピー性皮膚炎に対する抗ヒスタミン薬の有効性と有害性に関するエビデンスに基づいた評価は、依然として結論が出ていない。そこでChu氏らは、主に中等度から重度のアトピー性皮膚炎の小児と成人6,230人(平均年齢20歳、女性52%)を対象に経口抗ヒスタミン薬などの追加治療の有効性と安全性を評価した47件のランダム化比較試験を統合解析した。評価項目は、アトピー性皮膚炎の重症度、かゆみの強さ、睡眠障害、アトピー性皮膚炎関連QOL、皮膚の炎症の再燃(フレア)、および有害事象であった。その結果、第1世代および第2世代のH1受容体拮抗薬によるアトピー性皮膚炎の重症度やかゆみの改善効果はわずかで、事前に設定した臨床的に意義のある差は認められなかった。これらのエビデンスの確実性は中等度であった。また、エビデンスの確実性は低いものの、睡眠障害や症状の再燃について重要な改善効果は認められない可能性が示唆された。さらに、第1世代の抗ヒスタミン薬では認知機能への悪影響が増加する可能性があり、眠気などの有害事象を理由に治療を中止する患者が増える可能性も示唆された。研究グループは、「これらの結果は、アトピー性皮膚炎の日常的な治療に抗ヒスタミン薬を用いることを支持するものではない」と結論付けている。Chu氏らは、「米国では現在もアトピー性皮膚炎患者の約半数が抗ヒスタミン薬を服用している」と指摘した上で、「有効性と安全性に関するエビデンスが得られている治療や、患者のニーズを重視した内容へと診療ガイドラインを見直す時期に来ている」との見方を示している。(HealthDay News 2026年7月30日) https://www.healthday.com/health-news/skin-health/study-questions-effectiveness-of-antihistamines-in-easing-eczema Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock