変形性股関節症による痛みを改善する運動の効果は、医師や理学療法士が期待するほど大きくない可能性がある。新たなエビデンスレビューで、運動により、変形性股関節症の痛みが軽減し、身体機能が改善するものの、患者が日常生活の中で効果を実感できるレベルには達しない可能性が示された。シドニー大学(オーストラリア)のMichelle Hall氏らによるこの研究結果は、7月23日付で「Cochrane Database of Systematic Reviews」に掲載された。Hall氏は、「運動は変形性股関節症の主要な治療法として推奨されており、今回のレビューはその推奨を覆すものではない。ただしこの結果は、平均的な効果は限定的である可能性を患者に正直に伝える必要があること、また、どのような人がどの種類の運動によって最も恩恵を受けるかを理解するためには、より適切に設計された臨床試験が必要であることを示唆してはいる」と述べている。研究チームは、53~74歳の1,368人(女性63%)を対象とした18件のランダム化比較試験の結果を統合して解析した。検討された運動プログラムには、筋力トレーニング、有酸素運動、ヨガなどの心身に働きかける運動が含まれており、介入期間には2週間から52週間までの幅があった。解析の結果、無治療群または通常ケア群と比較して、運動群では痛みが100点満点の評価で約7点低下し(平均差−7.19点、95%信頼区間〔CI〕−10.70~−3.68、9件の研究、中程度の確実性のエビデンス)、身体機能はわずかに改善する可能性が示された(平均差−8.79点、95%CI −12.00~−5.41、9件の研究、中程度の確実性のエビデンス)。ただし、この改善は臨床的に意味があるレベル(痛みで12点以上、関節機能で13点以上の改善)には達していなかった。運動は生活の質(QOL)についてもほとんど、あるいは全く影響を及ぼさない可能性が高く(中程度の確実性のエビデンス)、患者報告による治療の成功についてもほとんど影響しない可能性がある(確実性の低いエビデンス)ことが示された。研究グループは、対象とした研究では、参加者自身が痛みや身体機能を評価していたため、運動の効果が実際よりも大きく見積もられた可能性があることも指摘している。それでも研究グループは、運動には痛みの軽減以外にも幅広い健康上のメリットがあり、害を及ぼす可能性は低いと指摘する。その上で、「変形性股関節症に対する運動の現実的な効果を明確にするためには、より大規模で質の高い研究が必要である」と結論付けている。共著者の1人であるメルボルン大学(オーストラリア)の理学療法研究員であるBelinda Lawford氏は、「現時点では、十分なエビデンスが存在するとは言えない。変形性股関節症の痛みに苦しむ人にとって、運動は重要な治療選択肢の一つとなる場合もある。しかし、患者に誤った期待を抱かせたくはない。今後の研究では、より規模が大きくて質の高い試験を実施し、どの種類の運動が、どのような人に対して効果を発揮するのかを明らかにすることが重要である」と述べている。(HealthDay News 2026年7月23日) https://www.healthday.com/health-news/bone-and-joint/exercise-underwhelms-as-a-hip-arthritis-treatment-review-concludes Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: PORNCHAI SODA -- Adobe Stock