仕事関連のストレスが、中高年の働く人々の睡眠の質やウェルビーイングと関連している可能性が、新たな研究で示された。50~66歳の就労者を対象とした小規模な調査から、睡眠障害と診断されたことがないにもかかわらず、対象者の多くが持続的な睡眠問題を抱えていることが明らかになった。英エディンバラ大学デジタルヘルス・データサイエンス教授のAthanasios Tsanas氏らによるこの研究の詳細は、7月28日付で「Scientific Reports」に掲載された。さらに懸念すべきことに、ほぼ10人中9人の研究参加者が、1年間の研究期間中に少なくとも1回、臨床的に問題となる睡眠状態の基準を満たしていた。論文の筆頭著者であるTsanas氏は、「睡眠障害と診断されたことのない集団で、これほど多くの睡眠問題が見つかったことには本当に驚いた」とニュースリリースの中で述べている。この研究では、50~66歳の就労者45人を対象に1年間の追跡調査を実施した。参加者には、仕事のストレスや精神的ウェルビーイング、睡眠の質などを評価する自記式質問票に定期的に回答してもらった。また、腕時計型のウェアラブルデバイスを装着してもらい、睡眠や身体活動を測定した。最終的に1,901件の質問票への回答と、5,258日分のウェアラブルデバイスのデータを収集した。収集されたデータを分析した結果、多くの参加者は1晩当たり平均7~8時間の睡眠時間を確保していたものの、睡眠の中断や乱れなどの睡眠の質に関わる問題を抱えていたことが明らかになった。研究グループは、「十分に休めていないと感じている」と報告した人が多かった理由は、睡眠不足ではなく睡眠の中断や乱れにある可能性が高いとの見方を示している。また、こうした睡眠問題は、就寝時刻が極端に遅いことや週末の睡眠パターンが平日と大きく異なるといった睡眠習慣よりも、ワークライフバランスや職場で憂うつやイライラを感じることなど、仕事関連のストレスと関連していることが示された。このことから、仕事関連のストレスが睡眠問題やウェルビーイング低下に関わる重要な要因である可能性があると研究グループは指摘している。これらの結果についてTsanas氏は、「今回の解析によって、こうした睡眠やウェルビーイングの問題の多くが仕事に関連していること、全般的なウェルビーイングはワークライフバランスを維持できるかどうかに大きく左右されることが浮き彫りになった」と説明している。共同研究者であるエディンバラ大学ビジネススクールのBelinda Steffan氏は、「これまでの研究から、睡眠が仕事に影響を及ぼし、また仕事が睡眠に影響を及ぼすことは分かっていた。しかし、今回のような診断を受けたことのない一般の人々において、これほど多くの人々が睡眠に問題を抱えていたことは驚きだった」とニュースリリースの中で述べている。さらにSteffan氏は「今回の研究は、睡眠が職場における健康とウェルビーイング上の重要な課題であることを明確に示している。企業や雇用主は、仕事に関連した睡眠の問題が従業員に与える影響を考慮する必要がある。今回の研究では50歳以上の就労者を対象としたが、その重要性はあらゆる年齢層に当てはまる」と述べている。(HealthDay News 2026年7月30日) https://www.healthday.com/health-news/sleep-disorder/work-stress-harming-middle-age-sleep-study-says Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: iryna inshyna -- Adobe Stock