入院患者の血中酸素飽和度(SpO₂)は、AIを用いて酸素流量を自動調整することで、医療スタッフが手動で調節する場合よりも適切に維持できることが、新たなランダム化比較試験で示された。AIによる自動酸素流量調整を受けた患者では、SpO₂が目標範囲内に維持されていた時間の割合が85%だったのに対し、通常ケアを受けた患者では63%だったという。米コロラド大学アンシュッツ医学校のAdit Ginde氏らによるこの研究は、8月3日付で「JAMA Internal Medicine」に掲載された。Ginde氏は、「酸素投与は医療現場で最も広く行われている治療の一つであるにもかかわらず、2026年になった今も医療スタッフによる手動調整によって管理されていることが多い」とニュースリリースで指摘している。今回の研究でGinde氏らは、AIがリアルタイムで酸素流量を調整するシステムにより酸素投与を受けている患者のSpO₂が目標範囲内(90~96%)に維持される時間が増えるかどうかを調べた。対象は、急性呼吸器疾患、外傷、熱傷、または緊急手術のために入院した成人患者300人(年齢中央値66歳、女性54%)。これらの患者を、医療スタッフが酸素流量を管理する群(通常ケア群、148人)、またはAIが酸素流量を自動調整する群(AI管理群、152人)にランダムに割り付け、ランダム化後72時間のうちSpO₂が目標範囲内に維持されていた時間の割合を比較した。その結果、SpO₂が目標範囲内に維持されていた時間の割合は、AI管理群では平均85%、通常ケア群では平均63%であり、AI管理群の方が有意に高かった(群間差21パーセントポイント、95%信頼区間18~25、P<0.001)。また、患者が低酸素血症(SpO₂が88%未満)だった時間の割合は、AI管理群で平均2.0%、通常ケア群で平均3.6%であり、AI管理群の方が有意に低かった(群間差−1.3パーセントポイント、95%信頼区間−2.0~−0.5、P=0.002)。高酸素血症(SpO₂が96%超)だった時間の割合は、AI管理群では平均9.2%で、通常ケア群の平均29.1%を大きく下回った。Ginde氏は、「この研究結果は、AIによる酸素流量調整が患者のSpO₂を目標範囲内にとどめることを可能にし、低酸素血症と高酸素血症の両方を減らせることを示している。この技術は、民間の医療現場と軍事医療現場の両方における酸素投与法を根本的に変える可能性がある」と述べている。研究グループはまた、AIによる酸素流量調整は看護師や呼吸療法士の業務負担の軽減につながり、医療従事者が患者ケアの他の側面により集中できる可能性があるとの考えを示している。研究グループは、今後は救急搬送中や戦場などの院外環境でAIによる酸素流量調整を利用できるかを検証する予定であるとしている。論文の共著者であるコロラド大学アンシュッツ医学校救急医学部長のVikhyat Bebarta氏は、「病院から遠く離れた場所で負傷した兵士を治療する場合、酸素は不足し、衛生兵の注意力も低下していく。自動的に酸素流量を調整する装置があれば、緊急性の高い作業の一つから衛生兵が解放され、その分、患者に必要な他のあらゆる対応に集中できる」と話している。(HealthDay News 2026年8月5日) https://www.healthday.com/health-news/health-technology/ai-managed-oxygen-promotes-more-stable-oxygen-levels-in-patients Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock