

大気汚染物質である微小粒子状物質(PM2.5)への曝露は、関節リウマチ(RA)の疾患活動性の上昇や症状の急激な悪化(フレア)と関連する可能性が、新たな研究で示された。ソウル大学校(韓国)医学部のSung Cheol Jung氏らによるこの研究結果は、8月5日付で「Annals of the Rheumatic Diseases」に掲載された。
過去の研究では、大気汚染への曝露はRA発症リスクの上昇と関連することが示されていた。しかし、すでにRAに罹患している人において、大気汚染が疾患活動性やフレアに与える影響については十分なデータがなかった。研究グループによると、PM2.5のような微小粒子は肺から血流へ移行し、細胞ストレスやDNA損傷、炎症を引き起こす有害な分子の産生を誘発する可能性があるという。
Jung氏らは1,070人のRA患者を4年間追跡し、総計1万2,583回の外来受診時に記録されたRAの疾患活動性やフレアと大気汚染物質曝露との関連を調べた。大気汚染物質は、二酸化硫黄(SO₂)、二酸化窒素(NO₂)、オゾン(O₃)、一酸化炭素(CO)、PM10、PM2.5の6種類を対象とした。
解析の結果、6種類の大気汚染物質のうち、PM2.5のみがフレアリスクの上昇と有意に関連することが示された。具体的には、PM2.5の月平均濃度が1標準偏差上昇するごとにRAフレアのオッズが上昇した(調整オッズ比1.113、95%信頼区間1.017~1.218)。また、PM2.5濃度の上昇は、関節の圧痛や腫脹など、複数の指標で評価したRAの疾患活動性の上昇とも関連していた。同一患者について、症状が悪化した時期と安定していた時期の大気汚染物質曝露量を比較する手法を用いて解析した結果、PM2.5への累積曝露が2週間を超えると、RAフレアのリスク上昇と関連することが示された。
研究グループは、大気汚染の改善によってRAの疾患活動性を低下させられるかどうかを明らかにするには、さらなる研究が必要だとしている。また、今回の結果を踏まえ、RA患者は長時間にわたる大気汚染物質への曝露を避け、特にPM2.5濃度が高いときには注意するよう呼びかけている。
この研究論文の付随論評を執筆した米マス・ジェネラル・ブリガム傘下のブリガム・アンド・ウイメンズ病院およびハーバード大学医学大学院のJeffrey Sparks氏は、「本研究は、大気汚染物質とRAの疾患活動性との関連を、信頼性の高い手法で検証した研究としては最大規模のものの一つだ」と述べている。さらに論評では、「大気汚染物質の濃度が上昇していることを考えると、今回の結果は臨床、生物学、公衆衛生の各面で重要な意味を持つ。また、吸入により体内に取り込まれる大気汚染物質がRAやその他の自己免疫疾患の発症リスクや病勢進行に広く影響を及ぼす可能性を改めて裏付けている」としている。(HealthDay News 2026年8月5日)
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