インフルエンザで入院した小児では、オセルタミビル(商品名:タミフル)の投与が集中治療室(ICU)入室リスクの低下と関連することが、新たな研究で明らかになった。米コロラド大学医学部およびコロラド小児病院のSuchitra Rao氏らによるこの研究結果は、8月10日付で「JAMA Pediatrics」に掲載された。Rao氏は、「過去20年間で最も厳しいインフルエンザシーズンの1つを経験した後だけに、今回の結果は、インフルエンザで入院した小児を治療することの重要性を改めて強調している。われわれの研究結果から、オセルタミビルによる治療は、発症から2日を過ぎて開始してもクリティカルケアが必要となるリスクを低下させる可能性があることが分かった」と述べている。米国のガイドラインでは、インフルエンザで入院した小児に対して抗ウイルス薬による治療を行うことが推奨されている。しかし、こうした小児への抗ウイルス薬の投与率は近年低下している。米疾病対策センター(CDC)のInfluenza Hospitalization Surveillance Network(FluSurv-NET)によると、2024~2025年のインフルエンザシーズンにインフルエンザで入院した小児のうち、抗ウイルス薬の投与を受けたのは63%で、2017~2018年シーズンの86%から低下していた。今回の後ろ向きコホート研究では、FluSurv-NETのデータを用いて、米国13州で、検査によりインフルエンザが確認され、入院した18歳未満の小児6,044人を対象に、オセルタミビル投与とICU入室との関連を解析した。対象期間は2014~2015年シーズンから2022~2023年シーズンまでの8シーズンで、2020~2021年シーズンは除外された。対象患者のうち4,240人(70.2%)がオセルタミビルの投与を受けていた。解析の結果、オセルタミビル投与群では、非投与群に比べてICU入室リスクが31%低かった(調整ハザード比〔aHR〕0.69、95%信頼区間〔CI〕0.60~0.80)。発症から2日以内に治療を開始した場合と3日以降に開始した場合のいずれでも、治療を受けなかった場合に比べてICU入室リスクはそれぞれ26%(aHR 0.74、95%CI 0.63~0.86)と45%(aHR 0.55、95%CI 0.41~0.73)低かった。副次評価項目である入院期間の解析には7,103人が含まれ、このうち5,746人(80.9%)がオセルタミビルの投与を受けていた。解析の結果、オセルタミビルの投与は入院期間の短縮と関連していた(aHR 1.13、95%CI 1.06~1.21)。推定入院期間は非投与群で3.72日、投与群で3.33日であり、9.4時間の短縮に相当した。Rao氏は、「これまでの研究では、小児がいつ発症したのか、あるいは入院前に抗ウイルス薬による治療を開始していたのかといった重要な情報が欠けていることが多く、薬の有効性を評価することが難しかった」と指摘する。その上で、「今回の研究では、そうした詳細な情報を把握し、高度な統計手法を用いることで、インフルエンザで入院した小児の治療に役立つ、より強固なリアルワールドエビデンスを示すことができた」と述べている。研究グループは、「今回の結果は、オセルタミビル投与の有益性を示すとともに、インフルエンザが疑われる、または検査で確定した小児の入院患者には、発症からの経過時間や重症化リスク因子の有無にかかわらず、できるだけ早くオセルタミビルによる治療を行うという現在の米国の推奨を支持するものである」と結論付けている。(HealthDay News 2026年8月12日) https://www.healthday.com/health-news/infectious-disease/tamiflu-helps-keep-severely-ill-kids-out-of-the-icu-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock