国際的な非営利団体であるニコチン・タバコ研究学会(SRNT)の専門家ワーキンググループ「Harm Reduction Workgroup」が、成人の禁煙支援に電子タバコを用いることに関する臨床上の推奨事項を発表した。電子タバコを米食品医薬品局(FDA)承認のニコチン代替療法やバレニクリン、ブプロピオンなどの薬物療法とともに、選択肢として提示すべきだとしている。米カンザス大学人口健康学分野のEleanor Leavens氏らがまとめたこの推奨事項は、7月30日付で「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に掲載された。この推奨事項の中で著者らは、電子タバコに害がないわけではないものの、紙巻きタバコを吸うことよりは害が少なく、従来のニコチン代替療法より禁煙に有効であると指摘している。筆頭著者であるLeavens氏はニュースリリースの中で、「今回の取り組みは、喫煙者に対するエビデンスに基づく医療の妨げとなっている誤解を正し、医師が患者の禁煙を支援するために使える手段を増やすことを目的としている」と述べている。Leavens氏はまた、「全ての喫煙者に効く単一の禁煙方法は存在しない。患者に複数の選択肢を提示し、それぞれのリスクとベネフィットについて話し合うことで、紙巻きタバコの喫煙をきっぱりやめ、全体的な健康状態を改善できる可能性が高まる」と話している。今回のエビデンスレビューによると、紙巻きタバコから電子タバコへ切り替えることで、発がん物質などの有害物質への曝露が、場合によっては最大で90%低いとしている。また、電子タバコはFDAから禁煙治療薬として承認されていないものの、電子タバコの使用は、ニコチン代替療法(ニコチンパッチ、ガム、トローチ、点鼻スプレー)より高い禁煙率と関連することを示す確実性の高いエビデンスがあるという。著者らは、「ニコチン代替療法とは異なり、電子タバコを吸うと、通常は紙巻きタバコと同様にニコチンが速やかに体内に取り込まれる。このようなニコチン送達は、ニコチン代替療法に比べて依存が強くなったり長期使用につながったりするリスクがある一方、電子タバコの方が満足感を得られやすく、紙巻きタバコの代替としてニコチン代替療法より有効で、再喫煙リスクの低下にもつながる可能性がある」と記している。紙巻きタバコの喫煙者に助言する医師は、その患者に最も適した禁煙方法について一緒に話し合って決めるべきだとしている。さらに、患者が禁煙のために電子タバコの使用を希望した場合、以下のことが推奨されている。・医師は、FDAが販売を認可した電子タバコ製品を使用するよう患者を導くこと。・普段、紙巻きタバコを吸うタイミングや、吸いたくなったときに電子タバコを使用するよう伝えること。・できるだけ早く紙巻きタバコから電子タバコへ完全に切り替えること。・禁煙に成功する可能性を高めるため、行動カウンセリングも受けるよう勧めること。紙巻きタバコの禁煙に成功した後も電子タバコを使用している場合には、電子タバコの継続使用とニコチンの完全な中止のどちらを長期的な目標とするかを検討することも推奨されている。著者らは、「最も重要な目標は、紙巻きタバコの完全な禁煙を維持することだ」としている。Leavens氏は、「米国では、がんによる死亡の約30%が紙巻きタバコの喫煙によるものだ。ほとんどの喫煙者は禁煙したいと思っているが、なかなかやめられないのが現実だ。電子タバコに関するこれらの明確なガイダンスは、医師にとって、患者が燃焼式タバコから離れ、より良い健康状態へと向かうのを支援する実用的な手段となるだろう」と述べている。なお、本推奨を作成したHarm Reduction Workgroupは、タバコ業界から資金提供を受けていない。(HealthDay News 2026年8月18日) https://www.healthday.com/health-news/cancer/panel-offers-first-guidelines-for-using-e-cigarettes-to-help-smokers-quit Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock