記憶するための写真撮影やスクリーンショットは逆効果?

記憶するための写真撮影やスクリーンショットは逆効果?
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何かを覚えておくために写真やスクリーンショットを撮る行為は、その場では役に立つかもしれないが、長い目で見ると記憶に悪影響を及ぼす可能性がある。ある体験をしている最中に写真やスクリーンショットを撮ることは、その具体的な情報や出来事が記憶に残りにくくなることと関連しているとする研究が、8月3日付で「Memory & Cognition」に掲載された。論文の筆頭著者である米ニューヨーク州立大学ビンガムトン校心理学分野のSophia Fabrizio氏は、「それらの画像を、記憶を詳しく呼び起こすための手がかりとして積極的に見返さない限り、役に立つ可能性は低いだろう」とニュースリリースで述べている。

写真撮影による記憶の阻害効果とは、単に目で見た情報に比べて、撮影した情報は記憶に残りにくくなる現象をいう。近年、この効果はスマートフォン(以下、スマホ)のスクリーンショットでも見られることが示され、デジタル機器で情報を記録・保存する行為全般に関連する可能性が示唆されている。

写真撮影による記憶の阻害効果を説明する仕組みとして、主に次の3つが提唱されている。1つ目は、写真を撮るという行為に認知資源が割かれ、本来その対象を記憶するために使われるはずの注意が減ってしまう「注意の分散」。2つ目は、写真などの外部記憶に情報を保存することで、その情報を自分自身で記憶するために割く認知資源を減らすことを指す「認知的オフローディング」。3つ目は、写真を撮ることによって、撮影対象だけでなく、その体験全体に対する注意や情報処理への関与が低下する「注意の離脱」である。

この研究でFabrizio氏らは、計892人の参加者を対象に7つの実験を実施し、スクリーンショットを撮ることと記憶との関係を検討した。実験1では、スマホに提示されたアート作品のうち、半数はスクリーンショットを撮り、残りの半数は見るだけとした後、再認記憶テストを実施し、スクリーンショットを撮った作品について記憶の阻害効果が再現されるかを確認した。実験2~5では、情報のスクリーンショットを撮ることに記憶と認知機能の面で利点があるのかが検証された。実験6~7では、後で記憶テストを行うことやスクリーンショットを見返せることを伝えたりすることで、意識的な認知的オフローディングを促し、それによってスクリーンショットによる記憶の阻害効果が変化するかどうかを検証した。

その結果、実験全体を通じて、スクリーンショットを撮った情報そのものについては、見るだけの場合より記憶テストの成績が一貫して低かった。また、スクリーンショットを撮ることが記憶や認知機能にもたらす利点は1つの実験でのみ認められ、その効果も限定的なものだった。

Fabrizio氏は、「今回の研究結果を総合すると、撮影のためのボタンを押すだけで、情報や体験についての記憶を損なっている可能性が高く、その影響は保存した内容以外にも及ぶ可能性がある」と述べている。

研究グループは、撮影した写真を後から見返さない場合には、写真撮影による記憶の阻害効果が認められることが多いと指摘する。他の研究では、写真を手がかりに記憶を呼び起こし、振り返ることで、長期的な記憶の保持を高められる可能性が示唆されているという。ただし、人々のスマホには平均約2,000枚の写真が保存されていることから、研究グループは、記憶の向上に活用するには数が多過ぎると指摘している。

Fabrizio氏らは、記憶力を保ちたい人には、代わりにペンと紙を使うことを勧めている。メモを取るには、情報を処理して要点を箇条書きに整理し、情報同士のつながりを見出す必要がある。こうした過程は「望ましい困難」と呼ばれるのだという。ただし、何かを書き留めることも、画像を使う場合と同じような認知的オフローディングにつながることがあるという。友人の誕生日をカレンダーに記録した後に忘れてしまったり、電話番号を連絡先に保存した後に覚えていられなくなったりするのは、そのためである。(HealthDay News 2026年8月19日)

https://www.healthday.com/health-news/neurology/photos-screenshots-degrade-peoples-memory-study-says

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