2016~2021年に死亡した元NFL選手では、少なくとも4人に1人が死亡時に慢性外傷性脳症(CTE)を有していた可能性があることが、新たな研究で明らかになった。元NFL選手の死亡者数と、研究のために提供された脳の剖検結果に基づき、死亡時のCTE有病率は少なくとも24.5%、最大97.7%に上る可能性があると算出された。米マス・ジェネラル・ブリガムの身体医学・リハビリテーション部門長を務めるDaniel Daneshvar氏らによるこの研究結果は、8月25日付で「The BMJ」に掲載された。CTEは、頭部への反復的な衝撃への曝露と関連することが指摘されている神経変性疾患であり、現在のところ死後の脳組織の病理学的検査によってのみ診断できる。この研究では、2008年から2021年の間に死亡した元NFL選手1,712人を対象に、死亡時のCTE有病率の推定範囲を算出した。1,712人のうち338人(19.7%)は、神経病理学的評価のために死後に脳を提供しており、そのうちの315人(93.2%)でCTEの診断が下されていた。このことから、死亡時のCTE有病率の推定範囲は、CTEと診断された315人以外の全員がCTEではなかったと仮定した場合の18.5%から、剖検でCTEではないことが判明した23人以外は全てCTEだったと仮定した場合の98.7%と算出された。全調査期間中で元NFL選手からの脳の提供が最も多かったのは2016~2021年であり、この期間に死亡した元NFL選手878人のうち235人(26.8%)から脳が提供され、215人(91.4%)でCTEが確認された。これらのデータから、CTE有病率の推定範囲は24.5~97.7%と算出された。さらに、脳を提供した338人のうち104人(30.8%)はステージIVのCTEであり、202人(59.8%)は診療記録などに基づき研究担当医により認知症と判定され、63人(18.6%)は主な死因として神経変性疾患が記録されていた。解析の結果、ステージIVのCTEは研究担当医により判定された認知症と有意に関連していた(リスク比1.44、95%信頼区間1.16~1.78、P<0.001)。Daneshvar氏はニュースリリースで、「地域住民を対象とした脳バンク研究では、CTEが認められるのは一般人口の1%未満であることが示されている。2016~2021年に死亡した元NFL選手の24.5~97.7%がこの進行性の脳疾患を有していたことが判明したことは、NFLと科学界に対する警鐘である」と述べている。論文の上席著者で、米ボストン大学Chobanian & Avedisian School of Medicineおよびボストン大学CTEセンターのJesse Mez氏は、「今回の結果が元NFL選手やその家族にとって懸念材料となることは認識しているが、支援を受けられることを知ってほしい」とニュースリリースで述べている。同氏は、「CTEと関連すると考えられている症状の多くは治療可能であり、われわれの診療では、適切な医療を受けることで症状が改善する患者もいる」と述べている。研究チームは、脳の健康に不安がある元NFL選手に対し、脳変性疾患を専門とする医師の診察を受けるよう勧めている。(HealthDay News 2026年8月26日) https://www.healthday.com/health-news/neurology/at-least-1-in-4-nfl-players-who-died-recently-had-impact-related-brain-damage-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: OkiDokiBot AI Art Generator/Adobe Stock