キシリトールは、シュガーフリーの食品や飲料からガム、オーラルケア製品まで、さまざまな製品に含まれている甘味料で、糖アルコールの一種である。新たな研究で、血中のキシリトール濃度が高いことは主要心血管イベント(MACE)リスクの上昇と関連することが示された。シャリテ大学病院(ドイツ)のMarco Witkowski氏らによるこの研究結果は、欧州心臓病学会議(ESC Congress 2026、8月28~31日、ドイツ・ミュンヘン)で発表された。Witkowski氏は、「われわれは以前の研究で、キシリトールが血小板の血栓形成能力を高める可能性があることを示した。また、血中キシリトール濃度が高いことが、高リスク者における3年間の心血管イベントと関連していることも明らかにした。今回の研究では、一般集団からより多くの人を対象に、より長期間追跡して、キシリトールがMACEを増加させるかどうかを検討した」とニュースリリースの中で述べている。Witkowski氏らは今回、2つの大規模な観察研究(Canadian Longitudinal Study on Aging〔CLSA〕、European Prospective Investigation into Cancer〔EPIC〕-Norfolk)に参加した1万7,710人のデータを解析した。対象者は血中キシリトール濃度に応じて4分位に分類された。MACEは、死亡、心筋梗塞、または脳卒中と定義された。その結果、血中キシリトール濃度が最も高い群では最も低い群に比べてMACEリスクが高く、CLSAコホートでは、既知の心血管リスク因子(年齢、性別、喫煙状況、脂質値、糖尿病、高血圧)を調整後も、6年間の追跡で血中キシリトール濃度が最も高い群のMACEリスクは最も低い群より57%高かった。また、EPIC-Norfolkコホートでは、30年間の追跡で血中キシリトール濃度が最も高い群のMACEリスクは最も低い群より18%高かった。さらに、血中キシリトール濃度が中間だった2群のデータも含めて見ると、濃度が高いほど心血管イベントの発生率も高くなるという濃度依存的な関連が示唆された。また、この関連はBMI、高血圧、糖尿病、脂質値などの因子にかかわらず認められた。Witkowski氏は、「人々は、砂糖よりも健康的だとの考えから人工甘味料を摂取している。また、規制当局も人工甘味料を概して安全と見なしている。一般集団を対象とした今回の長期的な知見は、キシリトールの心血管系への安全性について分かっていることがいかに少ないかを浮き彫りにしている。特に、製品中のキシリトール量が増加し続けていることを踏まえると、さらなる研究が必要である」と述べている。 ESCのCommunication CommitteeのメンバーであるDan Atar氏は、今回の結果は、キシリトールが心臓の健康に長期的な悪影響を及ぼす可能性を示唆していると述べている。ただし、これは観察研究であるため、示されたのは関連のみであり、キシリトールがリスク上昇の原因であることを証明するものではない。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年8月26日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/popular-sugar-substitute-linked-to-higher-heart-risk-2 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock