クリーニング店の近くに住んでいる人では、パーキンソン病リスクが上昇する可能性があるようだ。8月5日付で「npj Parkinson’s Disease」に早期公開された研究で、ドライクリーニングを扱うクリーニング店(以下、クリーニング店)から約500フィート(約152 m)以内に住んでいる人では、4~5マイル(約6.4~8 km)離れた場所に住んでいる人と比べて、パーキンソン病である可能性が高いことが示された。また、自宅がクリーニング店から離れているほど、パーキンソン病リスクは低かったという。論文の上席著者である米バロー神経学研究所のBrad Racette氏は、「この研究は、環境曝露がパーキンソン病の発症において重要な役割を果たす可能性を示すエビデンスに新たに加わるものだ。こうした曝露要因を特定することは、将来、この病気による負担をどのように減らせるのかを理解する上で、重要な一歩となる」とニュースリリースで述べている。研究グループによると、これまでの研究では、塩素系有機溶剤であるトリクロロエチレン(TCE)への曝露とパーキンソン病との関連が示されている。米国では、TCEは1920年代にドライクリーニング用溶剤として導入されたが、その毒性が認識された後、1950年代には主にパークロロエチレン(PCE、テトラクロロエチレンとも呼ばれる)へ置き換えられた。PCEは分解されてTCEを生成する。TCEは地下環境でより安定しており、移動性も高い。さらに、地下水中でのPCEとTCEの分解は遅く、不完全である。そのため、クリーニング店が閉店した後も、TCEとPCEはいずれも土壌や地下水を何年にもわたって汚染する可能性があると研究グループは述べている。今回の研究では、米国の67歳以上のメディケア受益者を対象に、居住地からクリーニング店までの距離とパーキンソン病リスクとの関連が検討された。対象は、最寄りのクリーニング店から5マイル以内に住むパーキンソン病患者18万982人とパーキンソン病ではない対照1884万8,268人であった。年齢、性別、人種、喫煙、医療利用、居住地域が都市圏かどうか、PM2.5、および所得を考慮して解析した結果、クリーニング店までの距離が近いほどパーキンソン病リスクが高いという距離に応じた関連が認められた。クリーニング店から500フィート以内の場所に住んでいる人のパーキンソン病のオッズは、4~5マイル離れた場所に住んでいる人と比較して14%高かった(オッズ比1.14、95%信頼区間1.09~1.19)。さらに、パーキンソン病の症状に基づくサブグループ別に検討すると、最も強い関連が見られたのは歩行障害を伴うパーキンソン病のサブグループで、クリーニング店から0.1マイル(約161 m)以内の場所に住む人での歩行障害を伴うパーキンソン病のオッズは、4~5マイル離れた場所に住む人と比較して23%高かった(オッズ比1.23、95%信頼区間1.16~1.30)。さらに、米国の中でも、ダラス・フォートワース都市圏、デトロイト都市圏、イリノイ州南部、テネシー州とケンタッキー州の州境付近などでは、クリーニング店とパーキンソン病との関連がより強かったという。研究グループは、こうした違いには、過去の汚染、地域特有の地質や老朽化したインフラが影響している可能性があるとしている。研究グループは、「この結果は、さまざまな化学物質や有害物質への曝露がパーキンソン病の発症リスクを高めるだけでなく、その人に現れる症状にも影響する可能性があることを示唆している」と述べている。ただし、本研究によりドライクリーニング用溶剤とパーキンソン病との直接的な因果関係を証明することはできないとも指摘している。なお、この研究は結果を早期に公開するため、未編集の原稿として公表された。最終版は、さらなる編集を経た後に掲載される予定である。(HealthDay News 2026年8月31日) https://www.healthday.com/health-news/neurology/live-near-a-dry-cleaner-you-might-have-a-higher-risk-for-this-devastating-neurological-condition Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Bethany -- Adobe Stock