身体活動量が少ない中等症~重症のコントロール不良喘息患者では、日常生活の中で身体活動量を増やす行動介入が体系的な有酸素運動トレーニングと同程度に効果的である可能性が、新たな研究で示された。いずれの介入でも、喘息のコントロールと生活の質(QOL)が改善し、不安や抑うつの症状が軽減したという。サンパウロ大学(ブラジル)医学部理学療法学科のDavid Halen Araújo Pinheiro氏らによるこの研究結果は、6月4日付で「Pulmonology」に掲載された。過去の研究では、有酸素運動や日常生活の中で身体活動量を増やすための行動介入が喘息コントロールの改善につながることが報告されている。しかし、これらの介入を直接比較した研究はあまり実施されていない。今回の研究では、身体活動量が少なく、コントロール不良の中等症~重症の喘息を有する18~65歳の成人52人を対象に、日常生活の中で身体活動量を増やし、座位時間を減らす行動介入と体系的な有酸素運動トレーニングの効果を比較した。試験参加者は、有酸素運動トレーニングを受ける群(有酸素運動群、27人)と行動介入を受ける群(25人)にランダムに割り付けられた。有酸素運動群は、8週間にわたり週2回、1回45分のトレッドミル運動を行った。一方、行動介入群は、8週間にわたり週1回、90分の個別セッションを受けた。また、行動介入群には、歩数を記録するためのスマートウォッチが配布された。このほか、両群とも90分間の喘息教育プログラムを受けた。8週間の介入終了後に喘息コントロールや喘息関連QOL、睡眠の質、不安・抑うつ症状、日常生活における身体活動(PADL)などを評価し、介入終了の16週間後にも追跡評価を行った。その結果、両群とも介入終了後には喘息コントロールが臨床的に意味のある改善を示し、群間差は認められなかった。この改善は16週間後にも維持されていた。さらに、両群とも喘息関連QOLや不安・抑うつ症状、中等度から高強度の身体活動量についても改善が認められ、その多くは16週間後にも維持されていた。1日当たりの平均歩数は、有酸素運動群では介入終了時にベースラインから1,537歩増加し、16週間後の追跡時には983歩の増加であった。行動介入群では、それぞれ1,126歩、996歩の増加であった。ただし、統計学的に有意だったのは、有酸素運動群の介入終了時の増加のみだった。一方、座位時間や睡眠の質には有意な変化は認められず、両群間にも有意差はなかった。以上のように、有酸素運動と行動介入はいずれも喘息のコントロールや喘息関連QOLを改善することが示されたものの、Pinheiro氏は、「有酸素運動は行動介入よりも多くの器具が必要になるし、監督下で行う必要もある。一方、ウォーキングであれば、1日の歩数を増やすことで、患者は病状を管理できるだけでなく、QOLの向上や不安や抑うつ症状の軽減といった他のメリットも得られる傾向がある」と述べている。ただしPinheiro氏は、運動を喘息に対する薬物療法の代わりと見なすべきではないと忠告している。同氏は、「有酸素運動と行動介入のいずれも薬物療法を補完するものであり、医師から処方された治療法を中止してはならない」と述べている。(HealthDay News 2026年9月8日) https://www.healthday.com/health-news/asthma/walking-might-be-as-beneficial-as-aerobics-for-asthma-patients Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved. Happy good looking senior couple husband and wife walking and playing with their adorable grandson in public city park Photo Credit: Adobe Stock